★★★ Excellent!!! 思い出となったものはずっと色褪せず美しいまま 和田島イサキ 妻と娘に囲まれ、幸せな家庭に生活する男性が、若い頃の思い出を振り返るお話。 家族ものの現代ドラマ、かと思いきや全然そんなことはなく、ドロドロで病み病みのお話です。 大学時代、とても親しかった友人との思い出の物語。 それだけならただの素敵な話で済んだのでしょうけれど、問題はその思いが深く重すぎること。 彼について語るときの調子に対し、それを比較して今現在の家族を見てしまう、その仕草というか振る舞いというかがもう本当にすごい。 思考のありようから滲み出る病み具合。ゾワゾワ来ます。 お話として見る分には楽しいんですけど、でも「もし自分が彼の家族の立場だったら」と想像してみたときの、この「たまったものじゃない」感がとても素敵。 やり場のない思いを抱え込み続けることの、何か怖さのようなものを感じさせてくれるお話でした。 レビューいいね! 0 2022年8月15日 18:26