オタク×2
みる
第1話 オタクが2人
「行ってらっしゃい〜」そう言ってお母さんが手を振る。
どこに行くかって僕みたいな高校生ならカラオケ?遊園地?ショッピングモール?楽しそうなとこばかりだね!正解は!
秋葉原!
今日は推しのLちゃんのイベントがあるからそのために秋葉原まで遠出してきたんだ!何?1人で言ったのかって?もちろんひとりだよ!推し友達は1回もできたことないよ!
そんなことより!イベントが楽しければいいんだよ!
あんなとこに見たかったアニメの看板が!
すげえもうコラボしたんや!
やっぱ秋葉原はいいなぁ!
(ドンッ)
「痛っ」その時僕の肩に女性の肩らしき柔らかいものがぶつかった、瞬時の事態で僕は床に倒れこんでしまった。その時にバックに入っていたLちゃんのグッズがばらまかれた(やばいこの人にも引かれてしまう……)
そう思った瞬間だった
「もしかして、Lちゃんお好きなんですか?」
僕はこの言葉に驚きを隠せず呆然としていた
「み、見てください。こ、これ!私の持ってるLちゃんの缶バッチです、お詫びにあげますよ!」彼女の急な早口にまたまた驚かされた
「べ、別にいいんですよ、お、お詫びなんて」
「いや、ここは、1オタクとして1人間としてお詫びさせていただきますください!」
ここで僕の中でとんでもない思いつきが溢れた
「そのお詫びについてなんですけど…」
「はい!なにがいいんでしょうか?」
「もし、良ければなんですけど…」
「はい!」
「僕とオタク友達になってくれませんか?」
「え?いいですよ!でもなんでですか?」
「実は自分リア友もオタ友もいなくて…」
「私と同じだ…」彼女の言葉から妙に親近感を感じた
「そうです!せっかく友達になったのならタメ口でいいですよ!」この彼女の一言に僕の緊張は一気にほぐれた
「そういえば!なんて呼べばいい?」
「気軽に美夢(みむ)と呼んでいいよ!」
「僕は適当にむきとでも呼んでくれ!」
「よ、よろしくね!」
「せっかく友達になったのだからむきくんLINE交換しよ」
僕はこの急接近に驚きまたもや心を奪われた
「い、いいよ!」
「むき!イベント早く行こ!」
「お、おう!」
初友達が女の子でしかもオタ友でこんな可愛いとかもう最高かよぉ!
オタク×2 みる @RafuP
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