実現可能な「ウラシマ効果モチーフ」と、その回答。

浦島太郎伝説、オシーン物語群、その他全ての異界訪問譚。
これらの類似する物語は、往々にして、起承転結が定まっている。
彼らは美女に誘われて、異界へと足を踏み入れる。
やがて故郷が恋しくなり、遥か未来の現実へと返り咲く。
そして、必ずと言って良いほど禁忌を課され、必ずと言って良いほどそれを破る。
つまり、これが一つのサイクルなのだ。これを果たせない筋書きは、逸脱した物語へと変化する。

この物語は、言い換えると、「実現可能な伝説群」だ。
コールドスリープ、昏睡状態、その他全ての延命処置。
対象は伝説の主人公と、似たような体験を繰り返す。

私たちは、浦島太郎やオシーンが知らない世界にまで、到達しているのかもしれない。
しかし、物語の結末自体は、数百年経った今でも、一向に変わらないのだろう。