悲日常

　中学二年生のえみは夏休み前の終業式を終えると、翌日友達四人と遊ぶ約束をして別れる。

「また明日！」

日常なんて変わらずにやってきて、同じ顔ぶれで会って学校に行って勉強して、休み時間にお喋りして、部活を終えたら遊んで別れる。それが当たり前だと思っていた。

その瞬間瞬間がとても大切で愛おしい時間だったなんて、誰も気づくことなく……ただ何となく生きていくだけだと思っていた。

友達の友情に涙する。友達の愛に感謝する。そんな青春ドラマのような物語。

「また明日……」

本当に万民に平等に明日なんて来るのだろうか？