第44話 二人の特徴

 みーちゃんとらーちゃんは顔はよく似ているので双子だとは思うのだけれど、それ以外の身体的特徴は大きく異なっている。

 何事にも積極的で気になることがあると何でも確認してしまう桜の花のような色の髪の毛で胸が大きい女の子がみーちゃん。羽美と書いてウミと読むそうなのでみーちゃんだそうだ。

 一方、何をするにも一歩遅れて割と優柔不断で銀色の髪の毛で胸が小さいというかこれくらいの年齢だと標準的なサイズの女の子がらーちゃんである。奏楽と書いてソラと読むのでらーちゃんだそうだ。

 結構違う部分も多いような気もしているのだけれど、根本的な部分はとても似ている二人なので少しの時間でも一緒に過ごしているとこの二人は双子なのか年の近い姉妹化双子なのだろうという想像は簡単に出来そうだ。僕も最初はみーちゃんがお姉さんでらーちゃんが妹の姉妹だと思ってしまったのだけれど、本当はらーちゃんがお姉さんでみーちゃんが妹だという事なのだ。叔父さんも叔母さんも最初は勘違いしていたという事だったので、僕だけが間違えてしまうという事でもないそうだ。

「お兄さんもみーちゃんをお姉ちゃんだと思ってるみたいだよ。本当はらーちゃんの方がお姉ちゃんなのにね。やっぱりみーちゃんの方がらーちゃんよりも大人っぽいって事なのかな」

「そ、それは、きっとみーちゃんの方がらーちゃんよりも体重が重いからじゃないかな。みーちゃんはたくさん食べてて脂肪もいっぱいついてるからお姉さんに見えるだけなんだと思うよ。らーちゃんもたくさん食べることが出来たらみーちゃんみたいに体重を増やしてお姉さんっぽくなれると思うもん」

「体重は関係ないと思うよ。それに、みーちゃんの事をデブ扱いするのはやめて欲しいな。みーちゃんはらーちゃんよりもおっぱいが成長しているから体重が増えても仕方ないんだよ。らーちゃんみたいに胸が小さかったら体重も増えてないと思うし」

 二人は軽く言い争いをしているように見えるのだけれど、どちらもそこまで本気でイっているような印象は受けなかった。もしかしたら、普段からこの二人はこんな感じで言い合っているのかもしれないな。叔父さんと叔母さんも二人の事を見守ってはいるけれど止めに入ろうという様子も見られないので僕が感じた事は案外正しいのかもしれないな。

「お兄さんの部屋でゲームして遊ぼうよ。みーちゃんの持ってるゲームがあるからお兄さんも一緒に遊ぼうよ」

「そうだよ。お兄さんの部屋でらーちゃんがもってきたゲームで遊ぶのが一番だと思うの。ご飯の用意はそれが終わってからでもいいんじゃないかなって思うんだ。先生もあんまり早くなくても良いからって言ってくれてるからね」

「でもさ、ゲームをやるにもテレビが無いと無理なんじゃないかな。僕が使う部屋ってテレビが無いって聞いてるし」

「それなら大丈夫だよ。みーちゃんたちがやるのはテレビ使わないから。みーちゃんとらーちゃんの秘密をお兄さんが当てるって言う簡単なゲームだよ」

「本当に簡単なのかな。今日初めて会った二人の事を当てられるとは思わないけど、二人の事を良く知れるいい機会になれそうだから頑張ってみるよ」

 僕は二人に手を引かれながら用意されている部屋へと向かっていった。怪談をあがって一番奥にある日当たりの良さそうな部屋なのだが、僕の荷物とベッドがある以外は何もない殺風景な内装になっていた。普段どんな風にこの部屋を使っているのだろうという想像をしてみたのだけれど、ベッド以外は何も無く他にあるものと言えば薄いカーテンがあるくらいであった。

「じゃあ、みーちゃんたちが問題を出す前にお兄さんに簡単な質問をするね。その答えによってみーちゃんたちが出す問題も変わってくるからちゃんと答えないとダメだからね。みーちゃんとらーちゃんはお兄さんの嘘を見ぬことが出来ないかもしれないからって本当の事を隠したらダメだからね」

「らーちゃんもみーちゃんもお兄さんの嘘は見抜けないと思うよ。でも、嘘はついたら悲しいからね」

「どんな質問かわからないけどさ、嘘なんてついたりしないから安心してね。あんまり変な質問とかは答えられないかもしれないけどさ」

 みーちゃんとらーちゃんは当たり前のようにベッドに腰かけているので僕はベッドには座らず二人の正面に当たる窓際に腰を下ろした。さっきまでは身長の関係で僕の方が二人を見下ろしていたのだけれど、床に座っている僕をベッドに座っている二人が僕を見下ろす形になっているのが少しだけ見覚えがあるような気がしていた。確か、会長と話をする時はいつもこんな風に上から見られていたような気がしていたな。

「じゃあ、最初の質問はらーちゃんからするね。お兄さんって、付き合っている人はいるの?」

「付き合っている人はいるよ。今は家族で海外旅行に行ってるんだけど、時差の関係であまり連絡はとれてないけどね」

「あ、彼女いるんだ。てっきり彼女いない可哀想な人かと思ってたよ」

「らーちゃん、それはさすがに言い過ぎだよ。私もお兄さんに彼女なんていないと思ってたけどね」

「次はみーちゃんからの質問だよ。お兄さんは何でこの村に来てくれたの?」

「叔父さんに誘われたってのもあるけど、一番の理由は彼女が海外旅行に行ってるからかな。他にも妹が受験生で家の中で勉強もしてるんで邪魔したくないってのもあったけどね」

「そうなんだ。お兄さんの妹って、今年中学三年生って事なの?」

「そうだよ。来年が受験だからね。最初は推薦でスポーツの強い高校に行く予定だったみたいだけどさ、なんでかわからないけど僕の通ってる高校を受けることにしたんだってさ。推薦が貰えるかは微妙だけど、入学して来たら部活を作るって息巻いているんだよ」

「お兄さんの妹って運動神経良いんだね。お兄さんってあんまり運動出来そうに見えないけどさ、何か特別な事出来たりするのかな?」

「どうなんだろうね。でも、何かわからないけどお兄さんを見ているとそう言うのがありそうに思えて来るよね」

 ベッドに座って二人でじゃれ合っている姿は可愛らしいなと思うのだけれど、僕の目線の位置からはスカートの中が見えてしまっているのだ。双子で顔が似ているのに体つきが全然違う二人ではあるが、似ているのは顔だけで下着の趣味は似ていないというのが意外な事実ではあった。

 らーちゃんは体つきに似合わずセクシー寄りの黄色いパンツをはいていて、みーちゃんは大人に混ざっても遜色ないくらいに発達している体の割には子供が履くような縞々のパンツを履いていたのだ。ちょっとその趣味は逆なんじゃないのかなとも思っていたのだけれど、案外らーちゃんの方がそう言うことに対して積極的なのかもしれないなと勝手に妄想してしまっていた。みーちゃんは何となくではあるが、パンツの趣味なら陽菜ちゃんと仲良くなれるんじゃないかなと思ってしまっていたのだった。

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美少女の秘密を知って付き合うことになった僕に彼女達はなぜかパンツを見せてくれるようになった 釧路太郎 @Kushirotaro

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