空色と怠惰な僕


すごく大好きな人の声が聞こえる

愛おしくて何に変えても守りたい人の声。

でも、思い出せない…。


ボクは病室に居た、来たことも無い真っ白な病室。

外からは真っ赤な夕焼けが部屋に差し込み

僕とベットに横たわる一人の女性を照らす。

彼女の顔は顔を伏せ辛そうに咳き込んでいる。

でも何でだろう…

こんなにも好きで胸が締め付けられるのに、

その咳き込む彼女の声や顔がボクには見覚えがなかった。


僕が見ていた景色が徐々に色を無くし、白色に染まり始めた。


冷や汗と目からは何故か涙が溢れていて、

僕はベットから飛び跳ねるように目を覚ました。

時計の針は9:00時を指していた


「うん…」


1度頭を整理した僕。


「これクビじゃね?」


────────────


額には、暑さとは違う意味で汗が滲む

部長が居ないことを確認しつつ

そっと席に着いた僕は「大きなため息」が零れ落ちた。


デジタルの時計が刻一刻と時間を過ぎ去り

時間の流れを完全に忘れていた。


日が完全に落ち世界が闇に包まれる。

だがボクはまだ会社にいた。


朝見た夢がずっと自分にまとわりついてくる。僕は何も考えないように、仕事をして現実逃避をしたかったのかもしれない。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

木の葉の落ちる頃に @light_12

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ