貴方達だけが強いと思っている?私達のこと舐めないでよね

りぃ

第1章

第1話


ここは“セカイ”

地球とは別の空間のどこか分からないところにそれはある。

魔法が使える。

異能使いもいる。

魔物もいる。

貴族が領地を支配し、その領地を国が支配する。

これはセカイのどこに行っても共通することだ。

しかし、この国は特に酷い。

民はまともに食事も取れず、ずっと働きっぱなし。

税金は重くて支払えない。

食事も取れないから飢え死にしていく人が増え、人口がどんどん減っていく。

経済も回らない。

他国にしょっちゅう喧嘩を売り、戦争してばっかり。

その国の名前は“ドールトン”


そして今も絶賛戦争中。

鳴り響いてくる銃声と落ちてくる爆弾の数々。

聞こえてくる人々の悲鳴、泣き声。

それを全て無視して今日も戦う。

皆この戦争に勝てると信じて。

でもそれと同時にたくさんの血の雨が降っている。

色んなところで人が死んでいってる。

命はあっという間に落ちていった。

ードドッドドッ

戦争も終了に近付いて来た。

食料は無くなり、弾も無くなり、魔力も底をつきそうになっていた。

皆体力的に限界で、憔悴しきっていた。

その時、ドールトン軍の後ろの方から馬が走ってくる音がした。

ドールトン軍の長が音がした方を見ると、馬に乗って近付いて来る男女2人がいた。

「来たぞ!」

長は、仲間に知らせた。

皆は、一斉に声がした方を見た。

その瞬間憔悴しきってした顔が輝きを取り戻した。

「まだ殺れる!」

「行こう!全ては国のために!」

そう言って動き出そうとした人々を2人は、抑えた。

「いいから、ここで休んでろ」

「体力も限界でしょ?」

2人は、長の所に行った。

「現状は?」

「生存者が全体の9分の2。それ以外は死にました。弾は底をついていて、魔力も無いです。今はまだ襲ってきてませんがそろそろ来ると思います」

「わかった。襲われる前に襲おう。ーー。行くぞ」

「了解!」

「では行ってくる」

そう言うと2人は、馬に跨り敵の所へと向かって行った。

「さすが紅王子と、真紅姫だな」

「あぁ。そうだな」

紅王子

これが1人のミドルネーム

真紅姫

これがもう1人のミドルネーム

血飛沫を浴びながらも華麗に戦う姿から名付けられた。と言うか誰かが言ったやつが定着した。

だが、その名前はピッタリだ。

現に今も血飛沫を浴びながらも戦っているのだから。

姿を見れば誰でも畏怖する圧倒的強さ。

怯えている瞬間を狙って1人、また1人と殺っていく。

「ひぃ。紅王子じゃん」

グサッ

「こっちに真紅姫がいる」

ザシュッ

「そんなに怯えなくてもいいのに」

ボコッ

「ほんとそれな」

バァン

「っていうか何その真紅姫とか紅王子とか」

グサッ

「俺たちのミドルネームだろ」

ドスッ

「でももうちょっとかわいいのがよかった」

グサッ

「ミドルネームはいいのかよ」

バギッ

「うん!だってかっこいいじゃん!」

ドゴ!

「ーー昔からそんなこと言ってたよな…ってかかわいいのってなんだよ」

ザシュッ

「だって私女子だよ!もうちょっと女子っぽいのがいいじゃん!」

ボコッ

「例えば?」

ボギッ

「ん〜と。例えば…思いつかないや」

グサッ

「ならこれでいいじゃん…ファイヤーボール」

ドン!

「良くない!っていうか今ーー魔法使った!ずるい!」

ザシュッ

「じゃぁーーも使えば?ウォーターアロー」

ガッ

「いいの?!じゃぁやるよ!」

「いいぞ」

「それじゃぁ…ライトボール!ハリケーン!ウィンドカッター!ファイヤーアロー!ウォーターb」

「そこまで」

魔法を使っていると、腕を掴まれて静止された。

周りには色んなところに人が転がっていた。

一応息はしているが顔が真っ青だ。

「はぁ……やりすぎだ」

掴んだ腕を離して、ため息をついた。

「やりすぎってなによ」

私にとってやりすぎた感がなかったからちょっと怒った感じで言った。

「周りを見てみろよ」

呆れられながら言われた。

私は周りを見渡した。

「なにこれ?」

「なにこれじゃねぇよ。これ全部ーーがやったんだよ」

「…これは…やりすぎだねぇ」

「だろ?」

「でも生きてんじゃん。じゃぁ大丈夫!」

「大丈夫じゃねぇよ」

コツン

「痛!頭叩かないでよ」

「そんなに痛くないだろ」

「あはは。まぁね」

「とりあえず長に報告しに行くぞ」

「そうだね。行こ!」

2人が歩き出した時、王子の足に抱きついてきた人がいた。

「た…すけて…」

「なんで?」

ザシュッ

「私のーーに触らないで」

「うっ…」

「ーー。問答無用で切るのは…」

「でもあいつ剣隠し持ってた」

「マジで?!」

「うん」

「そっか。じゃぁ今度こそ行くか」

「うん!行こ!」


「戻った」

「あぁ。どうだった?」

「一応その場にいる分は片付けて来た」

「そうか。ありがとな」

「いや。それじゃぁあと手は出さないから。帰るぞーー。ーー?」

ーーは魔法で治療していた。

「ありがとうございます。アズサ様」

「いいえ。あと頑張ってください」

グイッ

「わっ!」

「ほら行くぞ。アズサ」

「うん!」

ギロッ

「アズサに何もしてないだろうな?」

「何もしてません。治療して頂いてました」

「そうか。アズサに何かやってたら許さないからな」

「大丈夫です。ご安心ください。私達は何もしていないので」

「もう。そんなに怒んないで!私は何もされてないからね。カイト」

「アズサがそういうのなら…それじゃぁこれで失礼する」

「バイバイ!がんばって!ワープ」

シュン

「いなくなった」

「カイト様怖かったな」

「そうだな〜」

「さて。あともう少しだ」

「ドールトンに幸福を!」

回復した戦士達が相手の長の首を取りに戦いに行く。


ーそして2日後

「首を取ったぞ!」

ドールトンは、勝った。

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貴方達だけが強いと思っている?私達のこと舐めないでよね りぃ @nyannyan2307

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