通り道すぎゆくかけら
バブみ道日丿宮組
お題:暗い手 制限時間:15分
残業の後に飲み会があって、終わる頃には0時近くなった。
電車がなくなっても歩いて帰れる位置に家があるということもあるが、飲みすぎた。
明日は休みだから気にしなくてもいいのだが……限度がある。
先に酔いつぶれた後輩をタクシーの運ちゃんに任せ、最寄り駅へ向かう。ついたころには当然駅は閉まってた。深夜1時となれば、それはそうなる。
結果歩いて帰るしかない。
ちょっとした酔い醒ましにもなるだろうと、動く。
コンビニで清涼飲料水を買い、ちょくちょく口にしてく。
若い頃から酒に強いのは変わらない。
家近くの公園に差し掛かると、喧嘩してるような声が聞こえてきた。
関わらないでおこうと、通り過ぎようとするとどうやら男性が女性に乱暴しようとしてるところであった。
見た目的にただのデブにしか思わなかったので介入することにした。
男性の手を掴み、握る。
それだけで男性は痛がり、やめてくれと哀願する。
もう行けと手を放すと、逃げるように公園の外へ走ってった。
女性は目のやりどころに困るほどに、服が乱れてた。
視線を浴びたからか、顔を赤くして服を元に戻す。
迷惑だったかと聞けば、いえありがとうございますと感謝の言葉が返ってきた。
それ以上の介入はなくていいだろうと、自分も公園の外へと向かおうとすれば……服を掴まれた。
振り返れば、女性が引っ張ってた。
何かようですと問いかける前に、今日泊めてくれませんかと声をかけられた。
家遠いんですか? タクシー呼びましょうかといろいろ質問してみるが、ごまかされた。
家にきても大したおもてなしはできませんよといえば、いいんですと。
服を掴まれたまま、家に帰宅する。
さすがに部屋に入れば、離してくれた。
すぐにお風呂を追い焚きすると、スーツをハンガーにかけた。
女性は何を思ったのか、下着姿になった。
着てた服はたたまれて床に置かれた。
さっきまで恥ずかしがったのに、いったいどうしてと思えば、どうやら裸族らしい。
習性は他人の家に着ても変わらないってことか。
特に気にすることない。
なぜなら、同性だから。異性には興味があるが、同性には興味がない。
いたって普通の恋愛感情しかない。
女性はきょろきょろと部屋を確認して、最終的に自分の隣へと腰掛けた。
それからしばらくして、追い焚きが終わりお風呂に入ろうとしたのだが、女性がついてきた。
一緒に入って、一緒に寝ましょうとのこと。
まぁ気にすることはないからいいかなぁと。
それが間違いだと気づいたのは、パンツを脱いだ『女性』その人だった。
通り道すぎゆくかけら バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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