文武両道の少年、ジュンケン。
彼は、人並外れた天才だが、人並みはずれた破天荒で、人の本質を見抜く力もあった!
そんなジュンケンと、マフィアの娘ゲツレイが出会って、密航したのは……
清の国の人から見た日本、大変換点を迎えている日本、が、政治色抜きで、リアルに、興味深く、切なく、そして面白く、描かれています。
もちろん、清の国の人々の日常も、恋や結婚騒動も、楽しい。
きっと皆さま、うわあ、とか、ひぇー、とか、小学生かっ、などと、ツッコミをいれたくなるはず。
こんなに魅力的なキャラたちを、生み出された作者さまに、立ち上がって、大きな拍手を送りたいです。
ぜひ、お勧めしたい作品です。
これはすごいですよ。作者の知識が本当にすごい。物語の視点が「清」なんですよね。これ歴史の知識がかなりないと、こんな視点で物語はふつう書けないです。少なくとも私には無理ですし、カクヨムにいる作家さんの中でも、この題材で個の視点で、ここまでのモノを書けるのは稀有ではないかと思います。それくらい凄いです。
えっと、では作品紹介。時代は幕末。清から日本に来た御一行様が、日本で色々なことを巻き起こすのですが、この視点が「普通」の作者ではかけない「清」の視点です。私にはまったく知識のない「視点」ですので、本当にびっくりして、感心して星を入れたのを覚えています。
この話は「一切」ネタバレしたくないです。ほんと読んでみてください。あの時代の歴史の息吹を、日本人と違った視点で感じる事ができるって、すごい貴重な体験ですよ!
アヘン戦争に敗れた清王朝、開国を迫られた江戸幕府――という激動の時代背景がまず興味をそそります。
しかも主人公たちは清国側。
そして歴史モノだけど、登場人物が全員個性的ですらすらと読めてしまう。
特に主人公が魅力的です。
武の達人でありながら科挙試験を最年少・満点で突破する天才なのに、サムライに憧れる無邪気な少年――という、類を見ない人物造形。
それから死地をくぐり抜けてきた上海マフィアの娘、科挙を通らない通訳、大使の娘ながら出戻り大酒飲み――などなど、個性豊かな面々が幕末の日本へ。
これがまた、迎える日本側まで一癖ある人物が現れる。
彼らがどう関わっていくのか、そして激動の時代に立ち向かっていくのか、見届けてください!