あとがき
この「廻りくる季節のために」という作品は、二〇一七年から書き始めた私のライフワークと言ってもいい作品で、作品そのものにも登場人物にも、それなりの愛着を持って書き進んできた。本編は「パラレルワールド編」までで、この「山本徹の青春」と途中まで書いて、しばらく休んでいた「縄文に吹く風」は、ともに番外編とでもいうべき作品だろう。今回の作品は、山本徹の青春時代を描いたエピソードであるが、「縄文に吹く風」のほうは縄文時代に行った耕平の十八年後の姿と、息子のコウスケを描こうという趣旨で書き出したものである。
さて、今回の「山本徹の青春」は、終わり方を三通り考えてはみたのだが、その中でも一番無難なものを選んだ。と、いうのが正直なところでもある。
また、今回は山本や耕平のみならず、人物一人ひとりの内面部分を引き出そうと、試みたのだがうまくいったのか言えば、いささか疑問の残るところなのだが、自分では何とも判断がつかない部分なのだ。
そして、いよいよシリーズ最後(予定?)の「縄文に吹く風」を書き上げて、このシリーズの完成を見るわけだが、こちらのほうはいま少し先延ばしして、別の作品を先に仕上げてからになりそうだ。そういうわけで、私にも残された時間が少なくなってきてはいるものの、でき得る限りは書き続けていきたいと考えている、今日この頃ではある。
2022.11.10. AM08:27
廻りくる季節のために 山本徹の青春 佐藤万象 @furusatoha
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