エピローグ

 わざわざ専用で作ったのかずらりと並ぶギロチンの列、どの一つ一つに捕虜が囚われる。


 後は首を切り落とされるのを待つだけ、泣き言恨み言木霊する中に、俺もいた。


 赤エリアの数字揃い、悪くはないと自負していたが、先を越されたか、あるいはもっと上がいたのか、恩赦は得られなかった。


 諦めは付いている。


 ただどんなやつが恩赦を得たのか、それだけが気がかりだった。


 そこへ音楽、ギロチン挟む道を堂々と歩く男の姿、捕虜の服装、鼠のような男が歩いていた。


「ふざけるな!」


 怒声は対面のギロチン、犬のような男だった。


「あいつは病気にかかってて元から半年も生きられないじゃないか! そんな奴に恩赦与えて! そんなに帝国は楽をしたいか!」


 言われてハッとする。


 恩赦とは帝国が与えたいものであって、与えなければならない厳格なものではない。


 だからあの鼠の男のような丁度良い捕虜がいるならそちらを優先する。


 そのような逸材、百人に一人いるかいないかのレアな存在、だがこうして目の前にいて、恩赦を得ていた。


 ここでようやく後悔、手はあった。


 絶対恩赦の病気、ほぼスキルな相手だがその分体はひ弱、ならば早々に見つけて殺せばよかった。


 いやしかし、顔貌だけでそこまでわかるものではない。当てずっぽで殺して回って看守を増やし続けるのは悪手だ。


 斬!


 ならばどうすべきだったか、思案する頭が、首から切り落とされた。

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Pardon 負け犬アベンジャー @myoumu

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