彼女の最期は美しい世界観と豊かな文章表現が彩る甘美なデカダンス

作品の持つ退廃的で美しい世界観と豊かで彩りあふれる文章表現がピタリと一致していて、リュウゼツランをモチーフにした彼女の最期を甘美なデカダンスで彩る素晴らしい作品で、驚きと感動とともに楽しく読ませていただきました。

彼女が意識を失っている間は三人称視点で、意識を取り戻すとともに彼女視点の一人称に移り、最期とともに三人称に戻る。という視点の移動がとても効果的で、物語の流れに沿ってとてもスムーズで違和感なく行われていることに驚嘆しました。
言葉の選び方、文章の形態、構成の組み方など文章表現が秀逸で、作者さんの才能と努力が見て取れて、単純にすごい作品だなぁと思いました。

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