第2話
最初に殺したのは親で、小学生の時、私に暴力を振るってきた親から身を守るために棒で殴り殺した。
殴った時、快感を覚え、何度も何度も殴った。
殴った時の音、飛んでくる血しぶきの感覚、味、諦めたような目、全てが堪らなかった。
死んでるって分かっていてもなお、殴り続けた。
小学生ながらに、棒の指紋を拭き取り、私がしたと分からないようにした。
その後祖父母に引き取られたけど、同じように虐待を受け、仕返しに殺した。
親戚も同じく、殺した。
「ご、めんなさい、」
「た、すけて、、」
私は強者だと思った。
私の体にも痣などの傷があったし、小学生が殺せるわけが無い、強盗にでもあったのだろう、と疑う人はいなかった。
哀れな女の子とされ、私は施設に入ることとなった。
なぜだか分からないが、私はよく、誰かからのいじめに遭う。
殺すきっかけとなって良いが、不思議だ。
まぁ、親が居ない子達だし、施設の人も気付かないものらしく、居なくなっても誰も気付かない。
可哀想に。
全く反省なんてなかった。
ただ、例外があった。
高校生の時、クラスメイトを殺した。
その子は人生初の友達だった。
珍しく結構な仲良しで、珍しく良い子だった。
でもその子は、私が人殺しだということに気付いてしまったらしい。
「やめた方がいいよ、人を殺すなんて」
「確かに良くないよね、殺すなんて。でも、私を傷付けたんだから。それ相応の罰を与えないと。分からないんだよ、ああいうのは。痛い目に遭わないと」
「だからって、殺すって、悲しむ人が、」
「誰も悲しまないよ。だって、あの子たち家族いないし。もう捨てられてんだから」
殺すことについて語る私の目に光は無いだろう。
死んで行った奴らと同じように。
彼女は口を紡いだ。
しばらくしてから、また口を開いて、ボソリと呟いた。
「楽しい?殺すの」
「まぁ、、楽しい、と言うよりかは、気持ちいい、かな」
「、、そっか。じゃあさ、」
"私のこと、殺してよ"
牽牛花 恋するJK @Fukka1992
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