第十一話 無力と気力
五郎八が目覚めぬまま、日々は重苦しく進んでいく。
周は毎朝めげることなく須玉にヨル稼ぎへの同行を打診していた。しかし全てにべもなく断られ、五日目にはついに「気をつけて」と素直にその背中を見送ってしまった。
須玉が帰ってくるのはいつも日が暮れてからで、汗と土埃で全身はボロボロになっている。
「大丈夫か?」
と周が駆け寄っても華麗にスルーをし、須玉はすぐさま浴室へとこもる。五郎八にサカキの葉を捧げる前に、入念に身体を清めるのである。
だが努力むなしく、今まで何枚何十枚と捧げたが、五郎八の瞼はぴくりとも動いた試しがなかった。
須玉は落胆するが、次の瞬間にこそ動きがあるかもとの期待を胸に、五郎八のベッド脇に張り付いて離れない。そしてそのまま椅子で眠り込んでしまうのを、周がベッドまで運んでやるのが常だった。
ひとりで宿代も薬代も、全部稼いでいるのだ。疲れるのは当然にしろ、細かな怪我も作ってくるし、無茶な冒険の仕方をしているのではないか。気になって日中ステータス情報から須玉の現在地をこまめに確認すると、もっぱら鉱山を拠点に動き回っていることがわかった。
確かに鉱山はモンスターのレベルが上がるのでヨルの実入りがいいし、ついでに鉱石も集めて売りさばけば、ぐっと効率のいい冒険となる。しかし。
(また龍に見つかるかもしれないのに、よりによって一人でなんて……)
周は心配でたまらなかった。
いっそタケミカヅチに須玉への同行を頼んでみようかとも考えたが、「よかろう!」とやたら喜ぶ武神の姿と、「余計なことを!」と怒り狂う須玉の姿が目に浮かぶ。そして武神を撒くために須玉が鉱山の最奥まで突き進んでしまう可能性も見えたので、「いかん、あかん!」と周は頭を振って考えを追い出した。
しかし他に思いついた手立ても、脳内シミュレーションでいずれも失敗に終わってしまう。結局自身よりも五郎八第一な須玉には、五郎八が目覚めるまで無茶を止める理由がないのである。
困り果てた周は、眠れる女神に向かって指を組むことしかできなかった。
「お願いします、五郎八さん。須玉のためにも早く目を覚ましてください。あいつ、怪我したって自分には薬を買ってきやしませんし、このままじゃあいつまで倒れちゃいますよ。それにおれだって、あなたに伝えなきゃいけない言葉がたくさんあるんです……」
しかし日本の神に対し、この祈り方はどうやら不正解であるらしい。
須玉はあいかわらず怪我を増やして帰って来るし、五郎八も一向に目覚めないしで、願いが通じる気配は皆無である。
途方にくれ、うなだれる周であったが──シャンッ……と、ある日ふいに清涼な響きが耳に届いた。
事故のときに聞いた鈴の音に似ていたので思わず身構えた。が、身の回りはしんとしていて、再びどこかに召喚されるような気配はない。でも空耳じゃないよなあと、音を探してバルコニーから通りを見下ろすと、シャン、シャンと、錫杖を持った僧侶が静かな足取りで通りを歩いているのを見つけた。
「この神世界に、まさかの仏グループ参入……!?」
周は見間違いを疑って目をこすったが、黒い法衣ときれいに剃り上げた頭は、僧侶以外に当てはまる答えはなさそうだ。
真下を通るのをじっと見つめていると、ふと僧侶が顔を上げた。笠の下の端正な顔立ちと、ばっちり目が合った。
ものすごい年上だろうと勝手に想像していたが、おそらく旭と同じくらいの年頃の僧侶であった。周は盗み見の気まずさからつい手すりに半分顔を隠してしまったが、僧侶はそんな周を許すかのように、とびきり柔らかい笑みを浮かべた。丁寧なお辞儀まで添えてくれ、しかし背筋を伸ばし直すとすぐに前を向き、何事もなかったかのように歩き始める。
シャン、シャンと遠ざかっていく音色に、気付いたら周は声を乗せていた。
「待って──待ってください!」
急いで階下へと駆け下り、受付にいた雪丞に留守を頼んで宿を飛び出した。僧侶は道途中で立ち止まって、周が来るのを待ってくれていた。
しかしせっかく目の前に立ったというのに、急ぎすぎたせいで息が整わず、ぜえぜえ膝に手をあてたまま周はなにも言えなかった。僧侶はそんな情けない状態の周にも、再び柔らかな微笑みを向けてくれた。そうだ、こうやって誰かに笑いかけられるのが随分久しぶりな気がして、それでつい呼び止めてしまったんだ。
「こ、こんにちは……」
やっとそれだけ口に出すと、僧侶はにこやかに応じた。
「ええ、こんにちは」爽やかな訛りを含む話し方だった。
「わざわざ降りてきてくだはって、おおきいに。ご用向きはなんですやろか」
答えを急かさないように、あえてほのぼのした口調で訊ねてくれているのが伝わってくる。周は一回唾を飲み込んでから、
「えと、すみません。本当に申し訳ないんですけど、ご用とかそういうのはなくて……少し、話をしてみたかったと言いますか」
と正直に打ち明けた。僧侶はなるほど、と興味深そうに周を見た。
「そう思うていただけるんは、嬉しいことやなあ。わたしは
「な、なぜわかるんですか?」
「なあに、簡単なことです」
秀恵は周が首からぶら下げている勾玉を指さした。
「白勾玉が勇者さんの証やいうことは、ここの住人ならだれでも知っとることです。そして僧侶と話したがる方いうのは、たいていなにか悩みを持ったはるさかいに。──勇者さんのお悩みとなると、深そうや。どこぞ落ち着ける場所でお話でも伺いまひょか」
そう言うと、秀恵は法衣の裾を翻して通りを引き返しはじめた。周は錫杖の音に導かれるように付いて歩いたが、秀恵が足を止めたのは街の外に出てからであった。
「モンスターも出るのに、いいんですか」
草原を落ち着かなげに見渡す周に、秀恵は言った。
「ハニワンのことなら、大丈夫です。戦いに来たのとちゃうとわかれば、襲い掛かってこないええ子たちや。万が一があっても今は勇者さんと一緒やし、実に心強いものや──ところで勇者さんは、お名前はなんとおっしゃるのやろか」
周ははっとして言った。
「一ノ瀬周です。すみません、名乗りが遅れて」
「ああ、いえいえ、どうかあまり畏まらず。周さん、とお呼びさせてもらいますが、周さんはいつ頃この夜の食す国に?」
草原をともにゆっくりと歩みながら、周は答えた。
「一か月ほどでしょうか。まだ来たばかりの方だと思います」
「そうでしたか。突然の召喚で、さぞ驚かれたことや思います。先ほど居てらした宿屋に、身を寄せてらっしゃるのやろか」
「そうです」
「確かあの宿屋は、あたらよ宿さんやなあ。──惜しいことや、あの宿屋さんは神が寄り付かないので知られとったんやけどなあ。最近になって、宿泊しはる神さんが現れたようや。なにも問題は起きとりまへんか? 居心地悪いようなら、どこぞ紹介することもできるさかいに、遠慮のう言うたってなあ」
「ええと──実はその神さまは同じパーティの神さまなので、居心地云々は大丈夫と言いますか、むしろ良くしてもらってると言いますか」
申し訳ないような気持ちになりながら打ち明けると、案の定秀恵は驚いた顔で周を見た。
「パーティ? 神さんとですか? いまだに一緒にいはるんですか!」
「はい。その、運よく良い神さまとご縁があったものですから」
ははあ、と秀恵はうなった。
「今まで何人もの勇者さんの相談を受けましたが、みなさん捨てられた身の上やったものやから、周さんもそうとばかり──失礼なことを言うてしもて、堪忍や。その殊勝な神さんは、なんちゅう神さんなんやろか」
「
「スサノオの? それはまた、えらい大物な……。しかしそんな名前の神さん、聞いたことありまへんなあ」
「無名だって、ご自分で言ってました」
「スサノオの娘で無名とは、逆にすごい感じがするなあ」秀恵は笑った。
「ええご縁に恵まれたのなら、周さんの悩みにその神さんは関係ないのやろか」
「いえ、関係はあるんですけど、問題なのは五郎八さんじゃなくおれの弱さといいますか……」
周は召喚されてから今までのことを、大まかに説明することにした。
途中、腰掛け岩を見つけたのでそれぞれ別の岩を使って向き合った。秀恵は僧侶らしく足を組んで座りながらじっと耳を傾けてくれていたが、周の現状を理解すると「なんということや」とつらそうに顔をしかめた。
「捨てられずにすんだかて、そないな危険な目に合うてたやなんて。助けてもろたとは言え、痛みや苦しみは記憶に残っとりますのやろ。……勇者はどう転んでも、つらい立場にあるんやなあ」
「確かにあの死に向かう恐怖感は、二度と味わいたくない厭なものでした。でも、助かった今となっては自分の無力さが厭で厭で。現状を打破したいと思っても冒険は禁止されてますし、祈ったところでどうにもなりませんし。いっそこのまま勇者を引退した方が、みんな幸せになるのかなって、どうしても考えてしまうんです」
「引責辞任ってやつやな。責任感の強いお人や」秀恵は微笑んだ。
「でも周さん。無力さを嘆いたところで、それはどうしようもないですわ。だって相手は神やら鬼やら、人外やないですか。対等でありたいなら、彼ら以上にレベルを上げてやっとのことや思いますよ」
周は「それは確かに!」とすんなり納得してしまった。
「でも、勇者になった以上はちゃんと役に立ちたいです。いっそ黙ってレベル上げに勤しむべきなんでしょうか」
「いやいや、堂々と言えないことはやらない方がよろしい。後ろめたなって、苦しいになるんは自分の方や──なあ、周さん。そもそも勇者なんて、あんたさんが望んでなったわけでもないんや。はじめからうまくやろうとせんでよろしいのやで。あんたの神さんの考え方は知らんけど、少なくとも仏さんならそうおっしゃるわ」
「仏ですか」
近頃神のことばかり考えて過ごしていた周は、急に仏と言われるとなんだかおかしく感じて、ふくよかなご尊顔を思い浮かべながらつい笑ってしまった。
「おや、ようやっと笑うたなあ」秀恵は目を細めた。
「でも、本当にその通りや思いますで。あんたさんだって料理を始めたばかりの子ぉが、レストランばりのフレンチフルコース作ろうとしてはったら止めるやろ? 最初は包丁の使い方や火加減から覚えていけばええんや、って。怪我のないようにやれたら、初心者はそれだけで花丸なんや」
「そんなこと言ったら、おれは一回死んじゃってますけどね」
「いややなあ、それはなかったことになってるやんか!」
秀恵はケタケタ笑った。
「初心者をサポートするんは、慣れたもんからしたら当たり前のことや。周さんが責任感じることやおへん。大事なんは、これから先のことや。要するに周さんは、神さんのためにヨルを稼げれば今の無力感からは脱却できるように思うんやけど、どうやろか」
周はぱっと顔を上げた。
「そうです! おれ、稼ぎたいんです!」
「そんなら話は難しいことやない。ヨルを稼ぐ方法なんて、冒険以外にいくらでもあるんやから。むしろ街で働くことに比べたら冒険なんて、実は効率の悪い方の部類なんよ」
秀恵のもとに相談に来た元勇者たちは、働き口をそれぞれ見つけ、今ではすっかり街に馴染んでいるらしい。
「元々大工だったり、教師だったりした人なんかは前職と同じ働き口があっさり見つかったわ。中には住民と結婚したお方だっておるのやで。それはそれは幸せそうやった」
「そうなんですね」
元勇者たちの身を案じていた周は、彼らの実情に少しほっとした。捨てられても決して不幸が決まったわけではないのだなと、知ることができてよかったと思う。
そして案じるだけでなにも手助けできずにいた自分に比べ、秀恵のなんと慈悲深いことか。天津神の身勝手さを知っている立場としては、仏グループの懐の深さにうっかり「帰依しちゃおうかな?」という考えまでよぎってしまう。元勇者たちなんて、ひょっとすると全員帰依済みかもしれない。
秀恵はダメ押しの一手かのように、さらに慈悲を口にした。
「神や神使からしたら、人間はそりゃ無力な存在に過ぎひん。けどな、それに甘んじて無気力な人間にまで成り下がる必要なんてないのやで。──さあ、周さんにはいったいどういう仕事が向いてはるか、一緒に考えまひょか」
その微笑みがありがたすぎて、まるで秀恵から後光がさしているかのように見えた。
(地獄に仏、神世界にも仏だな)
信仰心をくすぐられながら、周は秀恵の考えに熱心に耳を傾けたのだった。
*
月が高々と空に昇って、一日の終わりを知らしめている。
須玉が疲弊した身体をひきずるようにして宿への道を辿っていると、宿の入り口前に周が立っているのが遠目にもわかった。こんな時間にわざわざ外に出ているなんて、今までにないことだった。
──まさか、ヒメさまの御身になにかが?
嫌な予感にずくんと胸がしぼんだが、駆け出しはじめた足はすぐに止まった。
周は折りたたみテーブル越しに、「ありがとうございましたー」と頭を下げ、目の前の人間を呑気に見送っていたのである。
おそらく緊急事態ではない。しかしヒメさまを放って、いったいこいつはなにをしているんだ?
「おう、おかえり」
須玉に気付いて、周がへらっと笑った。
「おまえ、こんなところでいったいなにを」
咎めの色をたっぷり含ませて言ったが、周はよくぞ聞いてくれたとばかりに顔を輝かせた。
「いやあ、実は今日から弁当屋を初めてさあ」
「は? 弁当屋?」
須玉の顎があんぐりと下がる。周は照れ臭そうに笑った。
「やっぱりヨルはふたりで稼いだ方が効率いいからさ。ほら、弁当屋なら命の心配もないし、五郎八さんからそう離れるわけでもないから、都合良いかなって。雪丞さんにも許可をもらって、ちょっと軒先を借りたんだよ」
「借りたって……そんな稼ぎ方、ありなんですか」
「副業禁止とは言われてないし、平気だろ。昼にまずおにぎり弁当を十セット用意してみたんだけど、ちょうど大工さんたちが昼休憩に通りがかって、すぐ完売! ちなみにさっきの客で、夜の分十五セットも完売だ。弁当ひとつ50ヨルで、ざっと計算した感じだと、粗利が20ヨルかな。それが合計25セットだから、しめて500ヨル! どうよ、初日にこれなら十分過ぎる成果じゃないか?」
「500……」
須玉は信じられない面持ちで呟いた。彼女の今日の稼ぎは360ヨルと、200ヨル分ほどの鉱石。価値としては上回ってはいたものの、金額では負けてしまっていることにがくっと肩が落ちた。術式バッグの肩紐までずり落ちてしまったのを、直しながら須玉はブツブツ言った。
「肉体労働派のあたしからすると、なんだか腹立たしいんですけど。いっそこのままこの街で、弁当屋になった方がいいんじゃないですか。なんなんですか、その謎の生活力は」
「ははは、素直に降参って言えばいいのに」
「なんですって」
「冗談だよ。──でも、弁当屋になる気はないよ」
周は急に真面目な顔をして言った。
「とんでもない迷惑をかけたとはいえ、おれはまだ勇者だ。生活力はパーティメンバーのために使うものだと思ってるし、弁当屋はあくまで五郎八さんを最速で目覚めさせるための手立てだ。なんならちびっ娘もさ、危ないひとりダンジョンは打ち止めにして、しばらく一緒に弁当屋をやらないか」
思いもよらぬ誘いに須玉は動揺したが、すぐにハンと一笑を返した。
「それこそ、冗談みたいな話です。弁当屋じゃあレベルが上がらないじゃないですか。いくら安全とはいえ、それじゃあ今後の旅に差し障ります。あたしはこのまま、正攻法でヨル稼ぎを続けますよ」
「痛いとこつくなぁ」
現在須玉だけがレベル11、周と五郎八はレベル6のままであった。
「でもま、ちびっ娘らしい断り方だな。ただしこれからは二馬力なんだから、せめて無茶なモンスター狩りはしないように! 絶対だぞ。おまえになんかあった方が、五郎八さんは哀しむんだから」
「そう……ですかね」
「あったりまえだろが。今日ももうアイテム屋には寄ったんだよな? 宿代はもうおれが払っておいたから、宿代にあてるつもりだった分もなんならすぐにサカキの葉に変えてきて──いや。ちびっ娘は疲れてるもんな。おれがひとっ走り買ってくるよ。先に部屋に入っててくれ」
周は手早くテーブルを片付けると須玉からヨルを受け取って、エプロン姿のままアイテム屋目指して駆け出した。背中で揺れる蝶々結びがほどけかけているのに須玉は気付いたが、それを指摘する暇もないほど、周は颯爽と雑踏へと姿を消したのだった。
「本当に、忙しない男ですねえ」
須玉は呆れがちに言ったが、
「……ありがとう」
周の消えた方向に、礼を述べることは忘れなかった。
一方周は、角を曲がろうとしたところで「周さん」と呼び止められた。振り向く前から秀恵だとわかり、周は笑顔になった。
「どうやらうまいこといったみたいやなあ」
良かった良かったと、秀恵は満足げに頷いていた。
「なにもかも秀恵さんの助言のおかげです。ありがとうございました」
「なんも、なんも。助言は所詮助言、実際に結果を出せたのは周さん自身の力によってや。初日から完売やなんて、幸先もよろしなあ」
「すみません、秀恵さんの分をひとつ残しておけばよかったのに、気が回らなくて。──あの、ちゃんとお礼をしたいので、今度また寄ってくださいませんか。お弁当ではなく、お部屋で色々ふるまいたいです。お坊さんだと、やっぱり精進料理がいいんですかね?」
「ああ、菜食主義のイメージもあるやろうけど、出されたものはなんでも飲み食いしてええというのが仏さまの御心や。でも、お気持ちだけでよろしいのやで。周さんが元気にやってはればわたしはそれだけで十分や」
「でも」
「ええから周さんは自分の神さんに集中!……おや、ひもがほどけかけてしもてるわ。直したろなあ」
秀恵は周の背中を叩くとついでに、エプロンの結び目も直してくれた。
「これでよし、と。まあ同じ街にいることやし、まだご縁があるのやったら一緒に食卓を囲む機会もあるやろ。お礼やなんやと焦らんと、今は目の前のことをひとつずつやっていきなはれ。日々を丁寧に過ごした先に、ご縁は結ばるんやからなあ」
「神も仏も、縁を大切にするところは一緒ですね」周は笑った。
「わかりました。でも次会えたときこそは、問答無用で食卓にご案内しちゃいますからね。覚悟しておいてください」
「そんならそのときは観念しまひょ。──次までに周さんがどんな勇者になっているか、楽しみにさせてもらいます」
にこやかな笑みを残し、秀恵は場を離れた。
凛とした背中を最後まで見届けてから、周は再び走り出した。
この世界での目標がひとつ増え、そのおかげか今までよりも少しだけこの世界とお近づきになれたような、不思議な浮揚感が胸に満ちていた。
神さまがガチャを引いた結果、俺がノーマルレアとして召喚されました 市川いち佳 @mo0kaa
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