転生モブ初めての友達ができる

入学式が終わり俺の自己紹介の番がやってきた。俺は出来るだけ大声で声を出した。

 「俺の名前は青野祐二です! 好きなことは本を読むことです。よろしくおねがいします!」

 

俺の自己紹介が終わるとクラスの皆は

ヒロイン達のもとへと集まっていった。

その中で俺は一人本を開く。それは恋愛に関する小説。俺が涼花を落とす為の攻略本だ。

 俺がその本を見てると俺の背後から声がかかった。

 

「自己紹介でも言ったけど俺の名前は神門遊星だ! なぁ、友達になろうぜ!」


 そういったのはあのゲームの主人公の神門遊星だった…… 神門遊星はいわゆる主人公気質の人物だ。 性格は良く、前世の俺も奴を妬ましく思っていた時代もあった。

 だが何故モブである俺に? その思いが

独り言にでていたのか遊星は不思議な顔をして俺に言った。


 「モブなんかは知らないが、俺は男友達がまだ居ねぇからさ、欲しいんだ」遊星のその言葉で俺は無意識に笑っていた。

 遊星はやはり主人公なのだ。俺はそのことに気づき遊星に言った。

 「あぁ、これから宜しくな、遊星!」


拝啓…天国にいるお母さん…… 俺、モブキャラに転生して初めて友達ができました……

……………………………………………………

遊星と親友になってから約一週間がたった。

俺は緊張してまだ涼花と長時間話すことが

出来ないでいる。遊星は幼馴染と順調に愛を育んでいるというのにだ。 そのため俺は

今日も遊星と一緒に学校生活を満喫している。 


 「なぁ、遊星? 涼花さんと話すにはどうすれば良いと思う?」俺は言い始めて何度目かも分からない相談を遊星に投げかけていた。遊星はいつも俺の相談に親身にのってくれている。 

「まだ喋れてないのか? 祐二、 よし、俺に任せとけ!」遊星はそう言って涼花のもとへと向かっていった。


 羨ましい…… 遊星には奏が居ることは分かっている。だが遊星は完璧イケメンだ。もしかしたら惚れてしまうかもしれない。遊星は信じてる。だけどそれでも不安なのが恋というものなのだ。

 

 遊星が行ってからどれくらい経っただろう? 遊星が俺の元へと来ると俺に向かって言った。「祐二! 一緒に今日の放課後

カラオケいこうぜ! 奏もな? それと蒼風さんも…」


 遊星がそう言うと俺の目の前に 天使が現れた。最初にあった時とは違う雰囲気を

纏う彼女に俺は緊張して何も喋れなかった。

結局行くことになったらしい。俺ははやる気持ちを抑えながら授業を過ごした。


 今日の授業は完全基本科目だった。けど涼花とカラオケということを考えていると難しい筈の授業が簡単に感じた…… 

 そして放課後、俺は遊星と奏と合流し涼花を迎えに行く。涼花は校門の前で待っていた。俺は緊張しながらも勇気を持って彼女に話しかけた。

 「おまたせ。 それじゃあ行こうか……」気まずい…… どうすれば良いんだろう? 俺は頭の中でその事を考える。手って繋いでもいいのかな? そんな今の状況とは関係ないことを考えつつ俺は涼花を連れてカラオケへと向かった……

…………………………………………………………………………………………………………

side遊星

「頑張れよ…祐二……」俺は涼花さんを連れてカラオケに向かう親友をみてそう呟いた。

俺が嵐山学園に入学した初日に一際目に映ったのが俺の親友、青野祐二だった。 祐二は普通の人とは違う目をしていた。俺はそんな目に惹かれたのだ。俺は入学初日に祐二に話しかけた。

 その結果、俺達は親友になったのだが、

祐二は恋をしていた。涼花さんという

クラスメイトに…… 祐二からその話を聞いたとき少し羨ましいなと思った。俺だって恋の一つぐらいしたい。 奏は好きだがそれは祐二のような好きではないだろう。幼馴染としての心の安らぎのような… そんな感じ。


羨ましい…… だからこそ俺は祐二に幸せになってほしかった。涼花さんをカラオケに誘い祐二も誘った。祐二から涼花さんの好きな所を耳がタコになるほど聞いているので本当に結ばれてほしい。

 

 そう思っている間に祐二と涼花さんは

まるで付き合いだてのカップルのように歩き始めた。俺は隣に立ってる幼馴染の奏と手を繋ぎながら祐二達を追いかけたのであった……

 

 



 

 


 

 



 

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恋愛ゲームのモブに転生した俺ですがヒロイン以外に一目惚れしたのでシナリオそっちのけで攻略しようと思います!! 俺は弟(二代目) @2026336

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