【意訳】Half The World Away

押田桧凪

第1話

もう未練はないと思ってる


野良猫のように匂いをたどって、餌にありつくことにも飽きたし


外に出て世界を見ろと、心の中で僕が言ってるような気がするから



この島を離れたら、どこか落ち着く場所を探したいと思ってる


そう、心の中で僕が言ってる


ずっと同じ場所であがいていたのかもしれない


僕はまだ若くて健康なのに、ずいぶんと歳を取ったように感じるんだ


君はどう思う?


君なら「私に訊かないでよ。もうそれはあなただけの夢なんだから」って言いそうだ


例えば、君が地球の真裏にいるとする

たとえどんなに離れても僕らは


それがたとえどんなに遠い距離であっても


何かを失うことで、何かを得て、でもそれが何かもう分からなくなっちゃったけど、僕らはたしかに生きていて

それだけでいいと思うんだ


例えば、僕がこの星を出ていくとする

勿論、例えばの話だよ

君を置いて出ていくつもりなんてないし、そんなこと僕に出来るわけない


そう、心の中で僕が言ってる


僕の夢が叶ったらさ

いつかまた君に会いに行こうと思うんだ


そう、心の中で僕が言ってる


ずっと同じ場所であがいていたのかもしれない


僕はまだ若くて健康なのに、ずいぶんと歳を取ったように感じるんだ

君はどう思う?

君なら「私に訊かないでよ。もうそれはあなただけの夢なんだから」って言いそうだ


例えば、君が地球の真裏にいるとする

たとえどんなに離れても僕らは

それがたとえどんなに遠い距離であっても


何かを失うことで、何かを得て、でもそれが何かもう分からなくなっちゃったけど、僕らはたしかに生きていて

それだけでいいと思うんだ


これでいいんだ

いや、これでいいと思ってる

僕は僕の決断を信じてる

後悔のない選択をしたんだと、思えるように

僕は生きたいと思う

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