咲く花、

@kasiwasakiao

赤い華

民衆が集う広場にて、ある催しものが開かれた。

それは赤い華の鑑賞会

これは長きに栄え滅んだ王国のお話



この国は200年もの歴史が積み重ねられた王政の国

この国には賢王と傾国の美女と称される国王夫妻がいた。

その間には3人の子もいた。

長男は父親である国王に似、人情深く、

そして国のためなら切り捨てることも是とする冷酷さも持ち合わせる生まれ持って

上に立つべき者であった。

次男は言動こそ粗暴だが周りをよく見、気づきが多い支えることが上手な下につくことによって本領を発揮するものであった。

最後に3人目である長女。母親を除けば唯一の女性である彼女を兄たちそして国王は甘やかした。しかし甘やかされたといって己を律することは忘れないまじめな性格の上、兄二人のおかげかこの長女はそれほど注目は受けなかった。


時は経ち、かの賢王が崩御し長男が王位を継ぎ、次男が侯爵になり、長女はまだ15と数ヶ月になった。王妃は国王が亡くなる2年前にはすでにこの世を去っていた。

しかし国民、貴族すべてが見抜けれなかった。長男と次男の本当の性格を。親にも見せなかった二人の野心それは周辺国を統治、野心にあふれかえっていた。そして統治しきった後国民すべてが恐れていたことが起こった。暴力、恐怖による圧政。のちに

平民から英雄と呼ばれるものが生まれ圧政からの解放を果たすのはまた別の物語である。


戦の途中にて長男と次男は打ち取られた。国民の総意にて王族の親族すべてを排除することに決まった。当然のごとく逃げ出すものもいた。しかし長女は逃げ出すことを是としなかった。そのため断頭台に上った。賢王が存命だった、平和な時を思い出しクスリと笑った。周りからはくるっているとしか思えなかった。彼女は徹底的に悪役を演じ、また笑う。最後に咲くのは赤い華。しかし咲いた花は散っていく赤をまき散らしながら散っていく。観衆の目に焼き付くように。散った華は微笑みだけは枯れなかった。


咲くは死に花、散るは赤い華、されど枯れぬは微笑みのみ


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読んでいただきありがとうございます。

初投稿なので拙い部分も散見されると思いますがその所はご愛嬌として流していただけるとうれしいです。

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