モテな（た）い天道虫 🪲

モテな（た）い天道虫 🪲

　ジェンダーフリー、LGBTQ etc.……多様性への過渡期にあるテントウムシ界で、

　――モテる。ヾ(＠⌒ー⌒＠)ノ

　平べったく（笑）いえば、いまのところ、過半は異性からの人気度を指すはずで。

　　　　　　🐞

　その視座でいえば、自他共に認める異端女子（といってもやや熟し過ぎの（笑））のテンコ（なんだろうねえ、この安易な命名は……💦）はっきり言ってモテない。

　男子テントウムシは老若を問わずフェロモン系の女子にメチャメチャ弱いのだが、テンコとフェロモンほど縁遠いものはなく、ああ、あの……と苦笑して敬遠される。

　その代わりというのもなんだが、同性の友人には事欠かず、いうところの百合？　っぽい（笑）女子から、いきなりハグされたり、恋人つなぎを求められたりする。

　　　　　　🍺

　といっても、テンコにその気は皆無なので、冒頭の異性の話にもどると、ごくたまに気が合いそうな男子と出会う機会が、恋愛経験の乏しい半生にも何回かはあった。

　だが、如何せん当のテンコがきわめて飽きっぽい性分ゆえ、つづいた試しがない。代わり映えのない話ばかりされると、速攻ポイなので（笑）先方も大変だったろう。

　テンコの場合、顔立ち（イケメンより味のある系が好み）や羽の模様など見た目は二の次三の次、とにかく話の幅が広く聡明、テンコを飽きさせない虫がイイ。（笑）

　　　　　　🍨

　そんなことを言っているうちに繁殖期を逸し、ふと気づいたら周囲に一匹も男子がいなかったのだが、むしろわずらわしくなくて結構だと、半ば本気で豪語している。

　一応、現状では美熟女（笑）ということになっているらしいが、なにしろ花の命はアレなので、すぐに美老女となり、季節の移ろいと共に消えゆく運命にあるはずで。

　せっかく虫の仲間でも華麗な柄の羽をもつテントウムシに生まれついたのだから、一度ぐらい性別問わず思いきりチヤホヤされたい……それがテンコの夢っちゃあ夢。