その時歴史が動いた!
……、取り敢えず三人位の歴史が。
多分もっと増える。
この作品は、わかりやすく、ストレートでいて、
それでいてストンと入って来る真っ直ぐさがとても良く、
短編の構成として、理想的と思えました。
劇中劇の後輩くんと、
現実での後輩くん、その二人が取った向き合い方と、
その結末、二人の対比も面白かったです。
演劇に向かい合う際の主人公の試行錯誤も、
とても楽しく読ませて戴きました。
初めの一歩、その勇気。
初めては誰でも怖いもの。
そこに至るまでの迷い、恐れも瑞々しく描かれていて、
主人公の青春物語の始まりを予感させる、
いい締めであったと思います。
と言う訳で、みなさんも読みませう!
オススメ!
とある新入生が先輩に誘われ、演劇部の見学に訪れるお話。
まさに青春! 高校の演劇部を舞台にした、爽やかな部活ものの物語です。
本当にどストレートというか、ひたすら甘酸っぱくてキラキラした何かがぎゅっと詰まっているところが魅力的。
先輩たちもなんだか良い人たちで、とても楽しそうな様子が伝わってくるところが素敵でした。
中でも好きなのは主人公の内向的な性格。
というか、キャッチコピーにもなっている部分である、終盤の煩悶する様子がとても好き。
この、本当に思春期そのままという感じの足踏み感。
キラキラした新しい世界に踏み出していくことへの恐れのようなものが、読み進めるにつれ胸の裡、なんだか懐かしい感覚と共に思い出されました。
本当に何から何まで全部真っ直ぐな、伸び伸びとした青春物語でした。