書いてみたよ【第6話】

 昨日は夕飯でスマイル100円を300円分。

 645円の残金に、夕飯に出した88円のパンが2つ。

 今の残金は769円だ。


 夜が明け、朝飯に変わった物を出そうと申し出ると、断られた。

 宿泊費だとでも思ってくれたらいいのにね。


 魔力は48まで回復してた。

 薪割りも当分要らないと言われた。


 物をただ与えるのは難しい。

 子供達が何回も菓子をもらうと、親が気にするかも知れない。

 難しいな。


 俺はどうするべきだろうか。

 この村から出て安住の地を探しに行くのがいいのかな。


 クロエちゃんの家族にはまだ恩を返せてない気がする。

 まずはこれを返してからだ。


 広場に行くが子供達はいない

 遊び場を変えたのかな。


 今日は村を見て歩こう。

 村は20軒ほどの家屋が寄り集まっていて、柵がぐるりと取り囲んでる。

 道の所は自由に出入りできるようになっているが、丸太で組んだ戦国時代の馬防柵みたいな物が脇に置いてある。

 有事の際はこれで道を塞ぐんだな。


 畑は柵の外にある。

 子供達も畑だろうか。

 畑を見て回ったが、見慣れない野菜がある以外は普通の畑だった。


 大人たちはいるが、子供達がいないな。

 観光スポットみたいな所があるのかも知れない。

 そこに行ったのかも。

 後でクロエちゃんに聞いてみよう。


 畑を見飽きたので、村に戻る。

 仕事と娯楽が無いと、時間の過ぎ去るのが遅い。


 次に覚えるスキルを探そうか。

 小屋で買い物の検索機能で時間を潰していたら、けたたましく鐘が鳴らされた。

 火事か。


 小屋から出ると。


「ゴブリンだ。ゴブリンの大群が攻めて来た」


 モンスターを倒すとステータスが成長するんだったな。

 俺のは課金でしか成長しないから、関係ない。

 でも、柵が破られたら、俺も危ない。

 手伝いに行こう。


 薪割り斧を借りて、柵まで急いだ。

 緑色の猿みたいなのが、柵に取りついている。

 あれがゴブリンか。


 槍を持った人や大鎌などを持った人が防衛している。

 俺も隙間になっている所に入った。


 柵の隙間から、斧でゴブリンの頭をかち割る。

 生き物を殺したが、別に何も感じない。

 血まみれになった村人を見たからだ。


 やらなければやられる。

 ペース配分に気をつけないと。

 握力がなくなって、すっぽ抜けたなんて事になると、命の危機だ。


「ぐぎゃ」

「死ねよ」

「ぎゃあ」


 こんな事を何度繰り返したか。

 そろそろ腕がやばい。

 休まないと。


 でも、俺が休んだら、そこを突かれてとかなったら嫌だ。


「そうだ。【薪割り】」


 スキルが発動してゴブリンが死ぬ。

 適度にスキルを混ぜよう。


「クロエを見なかったか」


 シンタさんが現れてそう言った。


「見てない。村にも畑にも居なかった」

「たぶん、大樹の所だ」


 シンタさんの視線を追うと、一本の大木が遠くに見えた。

 あそこだな。

 クロエちゃんが死ぬと、この家族からは笑顔が消えるのだろうな。

 スマイル100円の問題じゃない。

 そうなるのが堪らなく嫌だった。


 助けに行こう。

 ステータスを確認すると魔力が残り少ない。


「シンタさん、助けに行きたいが魔力がない」

「それなら、マナポーションがある。最下級なので、Fランクぐらいしか回復しないが」

「あるだけくれ」


 5本のマナポーションを貰った。

 さっそく飲んで、ステータスを確認すると、魔力は77になっていた。

 道の所に行くと、そこは激戦だった。

 ここが弱いとゴブリンは知っているようだ。


 俺はスキルを連発。

 この場所のゴブリンを一掃した。

 マナポーションを飲む。

 残り3本だ。


「出してくれ。子供が危ないんだ」

「無茶だ。死にに行くようなものだ」


「俺はよそ者だ。居なくなっても村には関係ない。笑顔がなくなるのが嫌なんだ。笑顔が好きなんだ」

「気に入った。みんな、この人を笑顔で送り出してやろう」


 凄い数のスマイル100円が入った。

 残高を確認すると3869円だった。


 みんなありがとう。

 移動式の柵を少しずらしてもらい、村の外に出た。

 大木を目指して一目散に走る。

 ゴブリンは俺のスピードについてこれない。

 だが、息切れする。

 走りながら、走るスキルを購入する。

 これでいい。

 走るスキルで駆け抜ける。


 マナポーションを飲む。

 残り3本だ。


 大木の根元が見えた。

 子供達が大木を背に投石して、防衛している。


 子供達に合流。

 マナポーションを飲む。

 残り2本だ。


「助けに来たぞ」


 ゴブリンの集団の中に大きい個体がいる。

 ボスなのか。


 とりあえずザコをスキルの連発で倒す。

 マナポーションを飲む。

 残り1本だ。


 ボスが進み出た。

 ボスは棍棒を持っている。


 俺はスキルを使い頭を割ろうとした。

 こん棒でガードされた。


「ぐぎゃぎゃぎゃ」


 ボスゴブリンが笑う。


 今度は最大出力だ。

 Fランクの力で振り下ろす。

 だが、ガードされた。


 一度で駄目なら何度でもだ。

 15回ほどやって、魔力が切れた。

 こん棒のガードを打ち破れない理由は、分かっている。

 薪割りスキルは、振り下ろししか出来ないからだ。


「ごめん、隙を作ってくれ」

「行くよ【体当たり】」


 クロエちゃんの体当たりが炸裂。

 ボスゴブリンは後ずさった。

 今だ。

 薪割りスキルF+を1200円で購入。

 薪割りスキルE-を2200円で購入。

 もう金はほとんど無い

 最後のマナポーションを飲む。


 これで駄目なら、俺自身を囮にして子供達を逃がす。


「【薪割り】! 最大出力!」


 ガードのこん棒を割って、ボスゴブリンの頭をかち割る事に成功。


 ピロリンとスマイル100円が6つ入る。

 ボスさえいなければもう、ザコは容易い。

 マナポーションは無くなったが、無事子供達を連れて帰れた。

 村で、物凄い数のスマイル100円が入る。

 残金が1万円を超えた。

 戦いもほどなくして、終わった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 薪割りスキルのランクアップ価格がかなり上がります。

 それでイベントを起こしました。


 この作品は投稿しようかなとも思ったんですが、駄目っぽいので辞めました。


 ここで、一応の締めにしたいと思います。

 また、別の作品でテーブルを作ったら、このエッセイの続きを書きたいと思います。

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