毒親

@poisonmama

第1話 マリカ

おはよう、いつものように母のマリカが入室してきた。今日はテストだから朝食いらないって言ったよね。と一言告げる。わかってるけど雄星の顔見たくなってと、朝から妖艶な笑みを浮かべる、一瞬母親ながら女優のようにも見える。来年就職試験を控えた大学生なのだがまるで幼児を扱うかのように振る舞う。周囲の視線もあり、物心ついたときからかなりうっとおしく思っていた。それが愛情表現ではないと思っていたからだ。今日の朝食はスクランブルエッグとウィンナー、ブルーベリーヨーグルト、このスクランブルエッグいつもより甘くない?と聞くとそんなことないわよと言い返す。さほど気にせず口に詰め込む、そろそろ家を出ないと行けない時間だからだ。そろそろ家を出ないと行けない時間だからだ。大手企業への就職試験に向けてもう勉強に励んでいた次期でもあった。行ってらっしゃい、試験受かるようにいつも応援してるからねと励まし玄関先まで僕を送り出し帰国子女のマリカは頬に口づけをした。これがいつもルーティーン。

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