妹を元気づけようとした『おれ』が、家に米津玄師を連れて帰るお話。
家族と、あと米津玄師のありのままの姿を描いた、とても優しくて素敵な物語でした。
実は米津玄師についてはよく知らないのですけど、大変面白かったです。
なるほどこれが米津玄師……そっか……。
とても不思議というか、静かなのに強烈な状況が大変コミカルで、ついつい笑いながら読み進めてしまうのですけれど、それはそれとして物語そのものがもう本当に好き。
彼らの存在感と、その手触りの自然さ。
特に大掛かりな事件などの起こらない、優しい日常の光景の中に、そっと米津玄師が添えられているような感覚が非常に綺麗でした。
ネタバレになるので詳しくは触れませんが、終わり方が大好きです。
とても優しく、ホッとする読後感が嬉しいお話でした。