【短編台本】巷で噂の殺人鬼

山目舜

第1話

登場人物

学生A

学生B

不審者


学校からの帰り?AがBに話しかける


A 最近物騒だよねー。この町で殺人事件とか起きてるし。


B まあね。「殺人鬼」とかって呼ばれてるよね。


A そうそう。無差別に15人も殺してるし。


B 15人?…確かニュースでは13人って言っていたと思うけど。


A ……え?13人?


B そうだよ。余計に2人殺さないでよねー。


A そんなこと言っても、人数なんて特に興味ないし……



話をしている二人のもとに、不審者が現れる



不 ねえ、そこのお2人さん。


A わ、私たちですか?


不 そうそう。人通りも無いし、ちょうどいいタイミングだから、声をかけさせてもらった。


A もう行こう。変な人に付き合っている暇なんてないし。


不 ちょっと待て。今日は、絶好の殺人日和だね。


B さ、殺人って……まさか……


不 そう!私こそが巷で話題の殺人鬼!君たちの命、奪わせてもらおうか。



不審者、刃物を取り出す。



A ………ふーん。殺人鬼、ねえ。………ふっ。ふふふふふ


B ……この状況で、なんで笑ってんの?


A あなたが殺人鬼なわけ無いでしょ?笑わせないでよ、偽殺人鬼。


不 な、なぜ偽物だと……いや、偽物ではない。これから話題の殺人鬼を殺して、私が新たな殺人鬼になるのだから



Aが不審者に近づいていく



不 まずはお前からだ。楽に死ねると思うなよ


A 私は、まだ死にたくない。まだ、人を殺し足りないから。


不 ……?


A 気づいてないの?あなたが偽物だとわかったのはね……私が、私こそが殺人鬼だからだよっ!



高校生A、手提げからナイフを取り出し、刺す



不 ぐふっ………(倒れる)



Aはナイフを取ってBに向き直る。



A さてと。私が殺人鬼だって、知っちゃったんだよね。ねえ、どんな殺され方をしたい?まあ、私たち友達だからね、死に方ぐらいは選ばせてあげる。


B ……本当に、殺人鬼なの?なんで、人を殺すの?


A ああ、私は殺人鬼だよ。……それで、なぜ人を殺すのかって?ふふっ、当たり前じゃん。楽しいからだよ!……もう時間がないし、そろそろ終わりにしようか。



A、Bに近づいていく。B、少しずつ後ずさりする。照明フェードアウト



B やめてよ。……殺さないでよ!まだ死にたくない!


A じゃあね。……さよなら



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