第7話 全滅

 ザシュッ


「浅い層の魔物は余裕だな」


 流石Cランクパーティー。戦い方が確立していて、安定感が半端ない。


「よし、次の階層に行ってみるか」


 異変は第4階層に踏み込んだ時に起きた。


「グルルルル…」


 何処からか唸り声が聞こえて来たのだ。


「4階層にこんな唸り声を出す魔物いたか?」

「誰かのスキルとかじゃないですかね?」


 すぐに僕達は唸り声の正体を知ることとなった。


「あれは、Aランクのダークウルフじゃねぇか!」

「なんでこんな所に!?しかもここ『青の深海』よ!どうして闇属性の魔物が出るのよ!」

「逃げるしかないようですね」

「目潰しする」


 僕は思わず走り出してしまった。ザックさん達も続けて走り出す。


「ウォーーーーン!!!」


 ダークウルフの咆哮で足がすくみそうになるのを必死に我慢して、ひたすらに走る。


「がはっ」

「テミー!!」


 走る。


「ひゃ」


 走る。


「くっ」


 走る。


「くそっ、なんでこんなことになっ」


 走る。死に物狂いで走った。


「え?」


 ふと、自分の下に穴が空いていることに気づいた。やばいと思ったが今更どうしょうもない。体が下に落ちていく。


 ドガッ


「いてててて…」


 余り穴は深くなかったらしい。大きな怪我は見当たらない。


「ここは…?ん?あれは…」


 僕の目の前にはボロボロになった神殿があった。






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全てをゼロにする男 ゼろろん @ZeRo0_Z

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