第13話 エピローグ

 別にさっきので終わってもいいのであるがちゃんと伏線を回収しないと怒る人もいるのでエピローグを語ろうと思うのだが神聖パァグニア皇国は王様と姫がいなくなってしまったことにより統制を失い、蛮族と革命勢力、そして王家に仕えていた貴族勢力も三つか四つくらいの派閥に分かれてそれぞれが小競り合う収集のつかない戦乱の世へと突入することとなった。元の世界に帰れなくなったフクちゃんと鯛世はしばらく戦乱の及ばない地方への脱出を試みていたが、どこへ行っても名前を言うとヤらせろヤらせろと言われるので戻ってきて、こんなもう、血なまぐさいしタピオカもユーチューブもないけど死ぬのもあれだろうし、サバイブしていくしかないと、ヲヲラの力を時々発動させ、さらにビュアッノドスの剣の腕、ウェワッロイヤォの智力によりちょっとずつ戦乱を腕ずくで沈めていったのである。やがて戦乱はちょっとずつ落ち着いてきて、このまま平和を維持する安定した政権を作るにはやはり世襲で統治する身分が必要だね的な話になった。とにかくこの世界の人々は民度が低く、とてもリベラルですてきな理論を聞かせても全然ピンと来ないのであり、それより神聖で高貴な血を引く絶対的なパワーを持った人に支配してもらうほうがとても合理的に秩序が築けるのである。そんなわけで鯛世が一番強いのでそれに推挙されるのだが、その権威を確かなものにするためには世継ぎを作るパートナーを選ばねばならなくなったのである。


「といっても私、別に好きな人いないし」

「えええ? 俺、めっちゃ頑張ったじゃないですかー」とビュアッノドスが自分を主張するも選ぶ権利は鯛世にある。


「もう俺が見た夢は儚い幻となったか」

 ビュアッノドスは消去法でフクちゃんを自分の嫁に選択するのだがフクちゃんは「ちょっとごめん、何かあたしって、フクちゃんって名前だったっけ。わかんなくなった」と自分を見失って心を病み、カミーユ・ビダンまたはクワサン・オリビー状態になって行方をくらませた。


 そうこうしていると「ふうむ、この平和をもたらすためにアニメ版を遙かに越える血を流すことになろうとは」と嘆いているウェワッロイヤォに鯛世が「すみません、私赤ちゃんが欲しいので」と急に言ってきて誰にでもわかるくらいズボンの股間部分が秒で膨らんだ。


「さ、左様なことが、本当に起こり得るのでありまするか。左様な、絵空事のやうな」


 こうして新しい女王とその旦那が誕生し、国号をタピオカ朝カワサキ帝国と改めた。この新王家をみんなであがめ奉るために新しい聖典を作らないといけない流れになって、それをウェワッロイヤォが書くことになった。学があるのが彼くらいしかいなかったということもあるけど、本当はもうちょっと事情もあったりする。


 新しい女王の居城、ジョ場7LPアェォボボヌム㌶城の床が衝撃吸収性のある素材になったのはその頃であった。


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実書版 イケメン騎士とメチャカワ女子高生が異世界をキラキラパワーでピースにするのだぁ 繰滑野明 @uniwaraifiction

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