三人と三頭の青春

少し前にテレビで見たことがあるのですが、アニマルセラピーってすごいんですよ。
もう回復の見込みがない重病人が入っているホスピスにセラピーホース(馬)が訪れるのですが、ほとんど体を動かせなかった病人たちが馬と触れ合って泣くんですよね。
馬も目の前の人間が病気だっていうことがわかっているのか、優しく寄り添っていて、言葉は通じないけれど人間同士よりも心が通じあっているというか、動物にしか癒せないものがあるなと感じました。

さて、前置きが長くなりましたが、本作は三人の少女と三頭の馬を巡るヒューマン(?)ドラマです。思春期の多感な少女たちのやり取りに、三頭の馬が加わってどういう化学反応が起こるのか、是非とも読んで確かめていただきたいです。
前述したように、人間と心を通わせることが出来るお馬さんは少女たちにどういう影響を与えるのか、そして物語はどういう方向に進んでいくのか、ワクワクが止まりませんね。
人間と動物のやり取りでしか味わえないような繊細な心情描写をいとも鮮やかに描く作者さんの腕前にも注目です。
人間同士とは少し異なる、新鮮な青春ドラマ。どうぞご一読ください。