私の愛しい妹より
@srid_grs
第1話
シーン1 朝その1
目が覚めた私は階段を降り、下で寝ている妹を起こす。
「……う~ん、むにゅう~……おねえ……ちゃん? おは――」
「んっ、んっ」
私に気づいた妹はほっぺたを突き出してくる。
「ちゅー! ちゅー!」
私は妹の頬に口づけをする。
「んっ♪ えっへへ・へ~♪ おはよっ、おねえちゃん!」
おはよう、私の愛しい妹。
シーン 雨の日の下校
ザアー♪ ザアー♪
ピコピコー♪ ピコピコー♪
「おねえちゃん!」
コンビニを出て傘を開いた私の前に、妹が現れた。
「いっしょに帰ろ?」
ザアー♪ ザアー♪
「おねえちゃん、さっき男の人とあいあいがさしてたけど、カレシさんなの?」
「……かさをわすれたから、コンビニまでいれてもらってただけ? そうなんだっ♪」
さっきより妹の足取りが力強くなった。
「えっ? わたしはどうなのかって?」
「クラスの男子はうるさくてさわがしくて、ときどきはだかになったり、スカートめくりしてきたりで、かっこよくなーい」
足を止めて、私に向きなおす。
「おねえちゃんが一番かっこいい!」
妹は傘を閉じ、私に抱きつく。
「えっへへ・へ~。あいあいがさ~」
私は傘を妹の方に寄せた。
シーン 大晦日
「じょやのかね~♪ じょやのかね~♪」
妹は私の膝の上で足をバタつかせる。
「今年こそ、おねえちゃんとじょやのかねを聞くんだ~」
毎年そう言っては紅白の途中で眠ってしまっていた妹が、今年は紅白が終わってもまだ起きている。
「今日はおひるねいっぱいしたもん! おひるねぱわああ――」
「ん、ん……」
私は眠ってしまった妹をベッドに運ぶ。
ゴォ~ン♪
もう少しだったのに。私は妹の耳元で
ゴォ~ン♪
鐘の音の真似をした。
「ん……ご~ん……」
夢の中で聴こえるように、私は鐘の音の真似をする。
シーン最後 朝その?
「んしょ、んしょ」
……なにか、振動を感じる。
「ちゅ! ……えっへへ・へ~♪ あはよっ、おねえちゃん!」
おはよう、私の愛しい妹。
私の愛しい妹より @srid_grs
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