困惑の塊

赤い。


赤い雨合羽を着た女の子。


ぐるぐると回ってはしゃいでいる。


女の子には酸素ボンベ。


チューブに躓きおばあさんが土手を転げ落ちる。


この子は俺が見ています。


おばあさんの乗ったタクシーが公園の前で止まった。


赤い雨合羽の女の子は喜んでおばあさんのほうへと駆け寄った。


家に招待された俺は女の子に豪邸を案内される。


キッチンに子ども部屋、中庭まであった。


二階に上がる。


階段の最上段には青白い女が横たわっている。


俺は驚き、後ろに仰け反り、その反動で女の子は落ちた。


焦り、それをトイレに隠した。


再度二階に上がり、窓から庭を覗き込む。


人影がこちらに向かって歩いてくる。


俺は階段を降り、トイレの引っかき傷を補修した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

雨降る赤 SpaceyGoblin @spaceygoblin

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ