第9話 恋の終わり
陽人と交際を始めて2年が経った(樹さんと知り合って1年)頃、陽人と一緒に出かけていた時の帰り道に陽人から思ってもみない話を聞いた。
「樹さん、最近彼女ができたらしいよ。 付き合って2ヶ月くらい経つんだって。」
私の頭の中を衝撃が走った。
精一杯の気力を使って、その衝撃から心を守り、平静を装った。
(陽人に不審がられなかったので、平静を装った私の演技はバレなかったようだ。)
その出来事があってから、樹さんとのSNSでのDMのやり取りは自然と減り、お互いの投稿を見るだけになった。
樹さんから「付き合っている人がいる」という類の話を聞くことはなく、私からそれについての話を振ることもなかった。
樹さんはたまに、私の投稿に対して反応をくれることがあった。
私は少し嬉しかったが、やり場のない思いに寂しい気持ちになっていた。
樹さんに彼女ができてから、樹さんと私が2人で会うことは当然無くなった。
樹さんと彼女さん、陽人と私、それぞれがそれぞれの道を進んでいく。
これでいい。これで良かったんだ。
勝手に好きになって、叶わぬ相手に勝手に恋をしただけ。
誰も知らない、私のひとときの恋。
誰も知らない、私のひとときの恋。 咲田 花 @unbirthday_w_
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