第108話 お頭?

「ところで師匠」

「おう、なんでい」


「ロートさんってのはどんな御仁で?」

「そらおめえ、この地の領主だからなあ。まあ昔はやんちゃもしたがそれなりにはやってんじゃねえか? 嬢ちゃん、あいつに何かしたのか?」


「いえ、まあ私が、というよりうちの領のもんが? みたいな?」


「そうかい、まあ一宿一飯の恩義ってのがあるからよ。うめえもん食わせてもらった礼をしなくちゃあな」


 デズモオさんはそういうと私達の前に立つ。


 ん?

 何するの?


 デズモオさんはおもむろに手を上げ、その手を下ろした。


 パチンッ!


 するとドタドタッっと部屋の外から大きな音が聞こえてきた。


 なんだなんだ?


 そして部屋の入り口が開く。

 そこに現れたのはおっちゃんたちだ。


 いや、ほんとおっちゃんたちだ。


「おい、おめえら。この嬢ちゃんたちにうめえもん食わせてもらった礼はしなきゃあだよな?」


「「「「「「「押忍!!」」」」」」」


 お、おお?!


「いいか、おめえらはこの嬢ちゃん達に命を救われたんだ! わかるな!」


「「「「「「「押忍!!」」」」」」


「いいか! おめえら! 男になれ!! 任侠道を突き進め!! 漢を見せろ!! 野郎ども!!」


「「うおっしゃあぁあぁあ!!」」


「ま、こういうこった」

「師匠、これはいってえどういうことで?」


「俺たちゃあな、ロートの野郎と結託してお嬢ちゃんたちに嫌がらせをしてたんだ」


「ええ、まあそうでやんすね」


「おう。で、まあこうして武力でも負け、胃袋も掴まれちまった」


「お、おう?」


「領主のロートの野郎は命令はするが俺たちにはわずかばかりの食いもんと金しかよこさねえ」


「嬢ちゃんに味方したらうめえもん食い放題なんだろ?」


「お、おう? でやんす?」


「そういうこった、がははははははははは!」


「お嬢ちゃん達は今日から俺らのボスだ!」


「えええ?!」


「いいか、これからは俺らを好きに使うといいぜ!」


「お、おう?」


「お嬢ちゃん達のおかげで、俺らも目が覚めたぜ!」


「そうか、うん」


 デズモオさん達と挨拶を済ませて部屋に戻る。


 なんかよくわかんないけどまあいいか。

 みんなが元気に私の見方になってくれるっていうなら良しとしよう。

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シャーナの異世界食糧事情改善計画:お気楽グルメファンタジー。精霊や仲間と一緒に旅しながら飢饉を解決?いや私美味しいものが食べたいだけなの UD @UdAsato

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