主人公のジェニーちゃんが、とにかく元気で前向きで銀髪で碧眼でいい意味でヤバイ。もうすごいハイテンション。最初から最後までずっとハイテンションなの。それはあらすじを見たら分かるよね?
でもね、それもそのはず。だってジェニーちゃんのパパは四六時中全裸で筋トレしてるムキムキマッチョな小説家だし、お兄ちゃんはお姉ちゃんなんだから。こんな家庭で育ったら、ヤバイ子(※いい意味です)にも育つってもの。
とにかく、笑いの絶えない家庭だけれどちょっとした秘密があるの。それは……読んでみたら分かるわ! あれ? どういうことかしら。私の口調が……。
うん、でもまぁそれはアメリカンホームコメディのような本作品が、それくらい影響力のある作品だという説得力の一つということで。一つ手を打ってちょうだい!
タイトル、キャッチコピー、あらすじ。
どれを見ても、きっとハイテンションの笑えるお話のように感じると思います。
そしてその期待を裏切らないように、最初から全力で笑わせてくれる作品です。
けれど、笑うという事に対して、深く考えさせられる作品にもなっています。
本当の意味で笑える日々に辿り着くのは、容易な事ではありません。
人によって理由は様々。
こちらの物語の中心、ジェニファーちゃん達家族にも試練が。
人生は、何が起こるかわかりません。
それによって、足を止めてしまう事だってあります。
そんな方はこちらの作品をどうぞお読み下さい。
笑うという行為はどんな事をもたらすのか、その答えの1つが書かれています。
きっと、読まれた方の背中を優しく押してくれますよ。
いわゆるスラップスティックコメディに属すると言える本作ですが、そもスラップスティックコメディには、高いボルテージを維持し続けなければならないという構造的要求があります。
平易に言うと「常に面白いことを言ってないとダメ」なわけで、もし自身が書くと、と考えるだけで軽く寒気がします。
その鬼のような命題をキチンとクリアし、面白さを提供している本作、作者様には頭が下がるばかりです。
問題としては…あまりに秀逸なので、そのご苦労に思いを馳せてしまうと、笑えなくなってしまうかもしれない、という点です。
そんなご尽力からは目を逸らして、流されるまま作品を楽しむのが正解なのかもしれません。