僕の彼女への愛してるという想いは、すれ違いの中で届かなった。

神石水亞宮類

第1話 好きな女性とのすれ違いから



僕の心の中には、いつも同じ女性がいる。

変らずずっと僕が好きな人。

彼女には幸せになってほしいと本気で想っていた。

何度か彼女を僕は突き放す。

それでも、忘れられないひと。

大事な人だから、僕の傍に居ない方がいいと想ったんだ。

彼女とは? 生きている世界が違う。

僕の見ている世界は、あり触れた世界。

道に咲く小さな花や空は透き通っている。

平凡で誰もが知っているものばかりだ。

でも彼女の世界は、僕が絶対に知りえる事のできない世界。

きっと僕と彼女の距離は、果てしなく遠い。

だから僕は彼女を遠ざけてしまった。

彼女は僕にもう、“彼女への気持ちがないと想ったのだろう。”





・・・僕が気づいた時には、彼女には新しい彼がいた。

僕にはもうどうする事もできない。

彼女が決めた事だし、僕の望んでいた事だけどそうならないでほしい

とも想っていた。自分勝手だよな。





『・・・わ、私ね、今付き合ってる彼がいるの。』

『えぇ!? そ、そっか、』

『ごめんね、』

『・・・ううん。』




何も変わらない僕の君への気持ちは何処へ行くのだろう。

時間が経てば忘れていくのかな?

たくさんの彼女との想い出は、いつまでも僕の記憶に残る。

それは僕の大切な宝物。

だけど、もう僕の隣には君は居ない。

もうなくした物は返ってこないんだ。

そんな事は知っているのに、僕は君を忘れられないでいる。





・・・いつか? “生まれ変わったら、僕と一緒になってくれますか?”

もし? その願いが叶うなら、僕はほんの少しだけ前向きになれるから。

この世界では、結ばれなくてもいつかきっと。


“僕と君は結ばれる。”




だから今は、君の幸せを最優先に考えます。

こんな僕は勇気がないどうしようもない奴です。



『・・・今まで、本当にありがとう。』



君の最後の言葉が、ずっと僕の頭から離れない。

あの時の君は、何を想いどんな気持ちであの言葉を言ったのか?











・・・数年後には、この想いは薄れていって。

君が幸せでいる時間が過ぎて行く。

僕じゃなくても、他の男性でも君が幸せならそれでいい!



今では、君の子供達と君は笑いながら優しいママの顔をして

いるのだろう。

旦那さんもステキな男性だ。

優しさに包まれた家庭を君は築いていた。



【ありがとう、さようなら。】



僕の心に、踏ん切りをつける。

僕よりも君が幸せであってほしい。

愛する君が幸せなら、僕も幸せなんだ。


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僕の彼女への愛してるという想いは、すれ違いの中で届かなった。 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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