学生の時間
子は親を選べない。今の時代、子にとって親がよくなければ親ガチャ失敗、
子に身体的・精神的に害を与える親は毒親と言われるがうちもそうであろう。金に目がくらんで結婚した相手はモラハラ夫であった。金があれば亭主関白で止まるかもしれないが金がなければただのDVである。出産退院後義両親が来るからと近くのスーパーへ走り家事をこなした時のことを私が大人なっても未だにグチグチ言われる。
私が思うに母は母親というよりも嫁という作業を淡々とこなしていたように思える。
私は両親のそういうところを感じ取っていたのかわからないが、門限までは外で家にいるときは大人しくしていることのほうが多かった。何よりも旦那優先、子のことは二の次であった。
宿題をしていなくても母親にうるさく言われた記憶はない。父親はプライドが高くほかの親戚に負けたくなかったのだろう勉強をしろ、宿題はしたかとよく聞かれた。天邪鬼な私はやれと言われればやらなかった。テストはさんざんであったが成績は平凡であった。外面だけはいい子に育ってしまったのでテスト以外のところで成績を維持していた。そういうところを見て育ったのか下の子は容量がよく育ち長子よりも父親に期待されていたように思える。
私は勉強よりも週に3日の習い事が楽しくて仕方なかった。今まで苦手だと思っていたこと出来なかったことができていく感覚にはまり習い事に行くのは楽しかった。高学年になると習い事や塾で遊べる友人も減っていた私にとって習い事は良い避難先であったのだ。
中学に上がり部活も始め楽しく毎日を過ごしていたある日父親がリストラされた。
幸いにも私は部活が忙しくあまり父親が家にいても顔を合わすことはなかった。
中学を卒業し高校生になった。奴はまだ家にいる。
高校は進学クラスに入った為家に帰るのは遅かった。正直家にいるのは息が詰まるので学校に居れることはありがたかった。奴はまだ、家にいる。
大学は地元の国立大学に決まった。父親は私が頭の良い大学に入ったことを自慢して回っていた。あなたのおかげじゃない。私の努力の成果だ。私はやってみたいことがあった。本当は県外の大学に行きたかった。親は許さなかった。お金も出してくれなかった。むしろとられた。でもこの時が私の人生で一番幸せな瞬間だった。
アンモライト @ransyoseki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。アンモライトの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます