超能力オタク男子×超能力者の女の子【タイトル未定】
おじさん
第一話
五月中旬
高校に入学してから約一ヶ月半が経った頃
「むー…」
他の人とは"少し"違う髪色の頭を抱えながら、屋上で一人お昼ご飯を食べる女子生徒がいた。
彼女の名前は星銀 天宇(ほしがね そら)
ごく普通の女子高生である。
そんな彼女がなぜ屋上で一人頭を抱えているのか。それは数時間前のこと─────
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コンコン
「はーい」
ガラガラガラ…
「おはようございます」
「あぁ星銀さん。おはよう」
私は訳あって、保健室登校させてもらっている。教室は少し…いや、凄く頭が痛くなるからだ
(星銀さん、今日も大丈夫そうね)
「っはい、お陰様で…」
頭の中に響く"相手の心の声"に青ざめながら答える。すると、先生はハッとし
「あっ、ごめんなさい。声に出さないと、星銀さんの体に負担をかけてしまうのよね…」
とこちらに駆け寄り、背中を擦りながら「大丈夫?」と心配してくれた。
「大丈夫ですよ、先生。産まれた時からあるのに、私が慣れてないせいでこんな事に…」
私は、相手の心の声が聞こえてしまう
…だけではなく、様々な超能力が使える。
つまり超能力者、『サイキッカー』である。
なんで超能力が使えるのか、なんで超能力が私に宿ってしまったのかなどは未だに分かっていない。
というのも、産まれた時に超能力を制御出来ない赤ん坊の私を、両親が隔離施設に預けたが、誰も近づけぬまま成長し、中学生になってやっと調べても原因は分からず…
今でも研究施設に通って調べてはいるものの、理由や原因など、超能力の根源さえも分からないので、研究者たちの間では"星銀天宇自体が超能力"説が浮上し始めている。
「そんな事に慣れなくていいのよ。」
ポン、ポンと先生が優しく頭を撫でる
その優しさに涙が出そうになるのを堪えて「ありがとうございます」と言った。
キーンコーンカーンコーン
「あら、もう授業の時間。一時間目は…数学ね。私こっちにいるから、分からないところがあったら聞いてね。」
「はい」
先生はブツブツと独り言を喋りながら作業を始める。
なるべく私に心の声が聞こえないよう、声に出してくれているのだ。
(よしっ、勉強頑張るぞ!)
カリカリカリ…
カチ、カチ、カチ…
~三十分後~
「んーっ…はぁ」
大きく背伸びをし、一通り解き終わった問題集を閉じる。
(休憩ついでにトイレ行っちゃおう)
先生に「トイレ行ってきます」と言って保健室を出て、トイレに向かう。
トコ、トコ、トコ…
ジャー…
ふと、目の前にある洗面台の鏡に映る自分と目が合う
色素の薄い髪色
色素の薄い瞳
そして、白い肌
…いつ見ても、気味の悪い見た目
それに加え、人間離れした力まで持っているなんて、周りに知れ渡ったら…
今まで散々向けられてきた冷たい目を思い出し、思わず体が震えその場に座り込んでしまう
私…これからどうしたらいいんだろう…
「…普通の女の子になりたかった」
超能力オタク男子×超能力者の女の子【タイトル未定】 おじさん @ojsn023
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