独り言

らりち

物語があるのは人生が1度きりしかない事への反抗だなんて言葉、最高に的を居てるよな。俺の物語は散々だったよ。分かってもらいたくてもわかって貰えない。1番わかって欲しい人間に全力でぶつかっても無理だったんだ。誰にも届きやしないんだよ。小説の世界には色々な主人公がいて、たくさんの登場人物に囲まれながら最高のハッピーエンドを迎えるんだ。素晴らしいことじゃないか。俺はハッピーエンドが大好きだ。でも自分の想定どおりのハッピーエンドが一番好きなんだ。生きてりゃいい事あるなんて戯言も、いい事続きの人間に言われてもな。俺は何もできやしない。俺の思いに耐えられる人もいない。誰にも受け取って貰えない。親とか親戚とか、そういう人はいいんだよ別に。正直あまり執着はない。申し訳ないとは思うけどね。俺は最期に爆弾になるんだ。一瞬で周りに傷を負わせるんだ。近けりゃ近いほど深い傷を。俺が生きていた証を。俺の物語はめちゃくちゃでさ。自分の全部を投げて、全力でぶつけて、全力でぶつかり合って、それでもダメだったっぽいんだよね。意味が無いんだ。伝わらなきゃ。めんどくさい人間だろ?自分でも思うよ。お陰様で自分について考え直す機会を頂いたわけだしそりゃ考えたさ。でももういいんだ。何も要らない。惰性で生きていくくらいなら、全員傷つけて、あっちで魚釣りでもしてるさ。俺の知りたかったこともいちばん単純な方法で知れるしな。多分俺はこれから先も誰にも愛されることは出来ない。家族愛とか隣人愛とか、そういうものじゃない、1対1の愛情は、もう誰にも向けられることは無い。もう全部やりきったって、むしろ清々しいくらいなんだ。本も読み切った。今日暇だったからね。もう区切りがいいんだ。何もしたいことがない。動画も見飽きたしゲームももういいや。今の状態の俺には勝つ気力もない。まぁいつか来るとは思ってたよ。違う人間同士なんだから当たり前だろうがよ。ぶつかり合うのは筋肉痛みたいなもんだ。そこを耐えられるか耐えられないかは全く違うエンディングを迎えるんだ。ブチブチ千切れるか、もっと強く結びつくか。俺は無理だったらしい。こっちはくっつく気満々だってのにな。対等な関係じゃなかったんだと思うからね。俺はとてつもなく愛してるし、正直今のこの時点でも心の奥底から、ドロドロ溶けた醜い真っ黒な沼の底から愛してるんだ。背くことは無いからね。最期まできっと俺は彼女の事が好きで好きでたまらないんだ。壊れてると思うならそれもそうかもな。とっくに壊れてるよ。俺が欲しかったものは結局手に入らなかった。というか人生ってとてつもなく短いよな。18で体感的には折り返しなんだっけ?最近本当に思うけど、何もしてこなかったな。口では偉そうに経験がどうこう言ってるくせに。何も成し得てない。ただの落ちこぼれのゴミだ。社会様はどうやら俺は必要としてないらしいし。歪んでるな。汚ぇなぁ。こっからあと何年生きるか知らねぇけど、正直もういいやって気持ちが大きいんだ。やり残したことが無さすぎて。もっと顔がよけりゃよかったのかな。あの人自称面食いだし。それとも進学先を県内にしときゃ良かったんかな。人生一度きり。後悔せずに生きよう!なんて綺麗事はもういいよ。後悔せずに生きるなんてできないし、もうこれ以上後悔するくらいならもう終わらせた方がマシだろうよ。人と違うってことはそんなに悪いことなのか?何が悪いんだ?教えてくれよ。流行から流行に飛び移って、何のこだわりも持ってねぇ癖に偉そうに上から語ってきやがる。俺は何も分かっちゃいないんだってさ。流行りのものを知らなきゃ何しても無駄なんだってさ。周りに合わせなきゃダメなんだってさ。言われてもない相手の気持ちを感じ取って理解しなきゃダメなんだってさ。じゃあお前は何を以て自分を確立してるんだ?俺は他者と迎合して得る感情を安心感だとは全く思わない。むしろ自己が埋没してゆく不安感と焦燥感しかない。自分が消えちまうんじゃねぇかってな。周りと合わせることにはもう疲れたよ。努力もしたさ。顔も悪けりゃ頭も悪い俺に出来ることなんてたかが知れてるかもしれねぇけどな。服装を変えた。自分のアイデンティティが崩れる音がした。髪型を変えた。自分が消えていく感覚があった。肌に気を使うようになった。ふと振り返って寒気がしたよ。俺はどこに行っちまったんだってな。俺の今まで信じてきたものは間違ってたんだって思いっきり突きつけられた気分だったよ。ある種宗教みたいだな、周りに合わせるって。みんな病的なまでに次から次なんだ。周りと合わせなきゃ不安になるんだってさ。何を言ってるのか俺にはわかんねぇ。必要以上に人と関わることすらめんどくせぇと思う俺に、自分が嫌な思いしてまでする先輩とか同い年の人間との付き合いに全く意味を見いだせない。ギスギスしたくないって?そいつら一生つるんでくのか?4年かそこらのカスみてェな短い間の付き合いだろ?そんな人間のために自分をすり減らす訳がわかんねぇ。というか自己があってこその集団、個人があってこその共同体なんだ。これの裏は偽だ。集団ありきの自己なんか自分とは言えねぇし、集団は人がいなきゃ始まんねぇんだ。あぁやっぱり無理だな。やっぱり生きていくことが下手なんだ。この世界はどんどんおかしい方向に進んで行ってる。平等化を謳った同質化が行われてる。他人と自分は以心伝心で当たり前、私の気持ちがわからないならお前は邪魔。あー、反吐が出る。この国は腐り果ててる。高度経済成長の残りカスのプライドにしがみついて、自分で自分の首絞めてるんだ。先進国なんて名乗る資格はないし、頭も悪い。終わってるな。一向に意味が見いだせないよ。こんな沈むだけの泥船にしがみつくくらいなら、もう1人で先に船をおりたほうがマシだ。この国に未来はない。ついでに俺にも未来はない。顔が悪くて頭が悪くて人間関係も下手っていよいよもう何も無い。これまで出会った人間に感謝だね。最後にあったのはトイザらスの帰りか。あー、もっと会いたかった。もっと色んな話したかった。もっと色んなところ行きたかった。あー、あー。でももういいや。なんかもう全部出し切った。物語があるのは人生が1度きりしかない事への抵抗だ。何も成し得なかった俺の代わりに、色んな人の物語がこれからも紡がれていくだろうよ。こんな価値のない人間の代わりに新しく世に産まれてくる人間の方がはるかに価値はあると思うよ。もういいよ。次の人生はラノベの主人公にでもなりたいな。今生だと徳なんか1個も積んでないから無理だろうけどね。誰からも愛されたいなんて思わない。ただ1人に愛して欲しかった。独りなんだ。やっとわかってくれる人に出会えたと思った。無理だった。もういいや。じゃあな。各々自過剰らないように。お先に上がらせていただきます。

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