自殺オフ

 

自殺オフ

女「……あの、私帰ります」


男「いやいや、ちょっと待って。君、自殺するつもりでここまで来たんだよね。なんで今頃になって死にたくないなんて言い出すんだい?それに、僕は君にきちんと確認した。本気で死ぬ気があるのか?と。君はその質問にYesと答えた。自分の言葉には、きちんと責任を持たなきゃダメだよ」


女「私はやっぱりまだ死にたくありません。それに、親が心配してるだろうから……」


男「君の両親は、君が死んだって悲しまないよ」


女「なんで、そんなこと他人のあなたが断言出来るんですか?」


男「確認したからだよ、君の両親に」


女「変な嘘を付くのはやめてください」


男「嘘なんか付いてないよ。本当のことさ。君のTwitterアカウントから住所を割り出して、直接家を訪ねて質問したんだ。あなた達の娘さんと自殺するつもりですけどいいですかって。そしたら、快く了解してくれたよ。オーバードーズやリストカットを繰り返す娘にもう疲れたんだってさ」


女「でも、証拠……私の両親がそんなことを言ったって証拠はどこにもない」


男「ああ、証拠はあるよ。スマホでその会話を録音したんだ、聞いてみるかい?」


女「聞きたくないです。……それじゃあ、私は父や母にとって大切な存在じゃなかったこと?」


男「まぁ、そういうことになるね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自殺オフ   @hanashiro_himeka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ