スチームガールズワールド

@harubou_SGsW

第1章 この星

今日もゆっくりと歯車が動き出す...至る所で蒸気タービンが回り、住民に朝を知らせている。私は美兎谷晴香みとたにはるか、この星に住んでいて機械の整備士を目指して機械整備学校で日々勉強している。なぜ機械の整備士を目指しているのかというと、幼い頃からこの機械だらけの星を見てきて憧れがあったからだ。

この学校は幼稚園~高校までが一緒になっていてずっとここで生活している。私はいつも通り朝の支度をして私の幼なじみの部屋に向かうことにした。

「おーい!、学校にいこ〜」

私はドアをノックしながら言った。

「う〜ん....待ってよぉ....」

ドアの向こうからとても眠そうな声が聞こえた。数分待ってやるとドアが開いた。

「おまたせぇ....」

と制服を着崩して来た...。この子の名前は夜神優華やがみゆうか、私の幼なじみであり、毎日一緒に登校している。この子はかなり人見知りで普段は無口。口癖は「私なんかが....」で自分に自信がない。

しかし、私には色々なことを話してくれるみたいだ

「ねえねえ、優華」

「ん...どしたの...?」

「この前の数学のテストどうだった!?」

「ま、満点だったよ」

「え、えー!?すごいじゃん!なんでそんな取れるのー?」

すると優華は微笑んだ。それを見て私は嬉しくなった。喋りながら歩いてかれこれ5分、学校に着いた。私と優華は選択している学科が違うのでここでお別れとなる

「それじゃ、今日も頑張ろうねー」

「うん....またね!」

私の学科は整備科で優華は設計科を選択している。優華曰く整備をするよりも設計をする方が好きらしい。私は普段、こんな感じで登校している。


ーーー放課後ーーー

やっと一日の授業が終わってようやく帰れる。今日は優華と一緒に帰ることにした。優華の学科は4階にある教室なのでそこへ向かった。教室に向かう途中の廊下には銅のパイプや金色のギアなどが張り巡らされている。階段を駆け上がってようやく優華の教室に着いた。

「ごめん、 おまたせ」

私は少し息を切らしながら優華を呼んだ。

「ううん、一緒に帰ろ」

ニコニコしながら小さな声で私に言った。

教室は沈んでいく夕日と共にオレンジ色に輝いていた。優華と一緒に教室を後にした

下校する途中に少し気になったことがあったので優華に聞いてみることにした。

「ねえ、優華」

「ん?どうしたの?」

「優華ってなんで右目を隠しているの?」

「なんでもない....」

優華は驚き、自分の前髪を抑えながら走り去っていった。幼なじみで隠し事は一切ないと思っていたがしかし優華にはなにか秘密があるのだろうか。

私は手掛かりを探しに家から少し離れた古本屋に足を運んだ。店内を周って見てみると特にこれといった手掛かりは見つからなかった。

「うーん...やっぱりないかー」

とガサゴソと漁っているととても分厚くてとても古びた本を見つけた。これにヒントがあるのかと思い迷わず購入して寮へ全力で帰った。


部屋に着いて早速読もうとして、発行された時代を確認すると1AC60Aと書いてあった。

この星は1000年ごとに時代分けがされていて14進数で表している。今は1C060Aなので約12000年前に書かれている本であることがわかった。中身を見てみると8割近く文字が霞んでいたが一部の文字は読めることができたので読みながらペラペラめくっているとそこで気になるページを見つけた。タイトルは"赤の瞳と能力の覚醒"だった。

「赤の瞳・・・」

私はそこまで気にしていなかったがクラスで瞳が赤色なのは私だけだということを思い出した。なぜ私だけなのか気になって仕方がなかった。さらに読み続けると、どうやら赤色の瞳をしている人物は電気的エネルギーを魔法的エネルギーに変えれるとのこと・・・。私は全然理解できなかった。しかし、優華はこのことで隠しているのではないかと私の中で仮説を立てた。気になったので急いで優華の部屋に行くことにした。

「優華!!」

と私は叫びながら扉を開いた。

「・・・」

優華は黙り込んでいた。

「優華・・・正直に言ってほしい。なぜ右眼を隠しているのかを・・・」

優華はすごく悩んでそうだった。数分悩んだ挙句に口を開いた。

「17年間黙っていたけど、私の右眼は・・・」

優華は前髪をずらした。


「赤色なの」


to be continued

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

スチームガールズワールド @harubou_SGsW

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ