中学生になった女の子、美結は、親友の愛音ちゃんや友達と一緒に、楽しい学校生活を送っていました。
茶道部と華道部が合体した茶華道部に入ってお茶をすすったり、時には恋の話もしたりと、とても楽しそう。
特に親友の愛音ちゃんと、若干の百合っぽさもある仲の良さを見せつけてくれます。
しかーし、読んでいる途中で忘れてそうになっていましたけど、本作のジャンルはは現代ドラマでも恋愛でもない、SFなのですよね。
ということはもしかしたら、宇宙人が襲来したり突然超能力に目覚めたりするのかー!
何て思っていたら。なるほど、これは確かにSFです。
ネタバレ防止のため詳しいことは書けないのですが、これは未来のお話。
中盤で起きるある出来事を切っ掛けに、話の雰囲気がガラリと変わりました。
いったい何が起きたのか。気になる方はぜひチェックを。
最後まで読んで感じた物語のテーマは、『愛』。
これは美結が、愛される物語なんだって思いました。
中学生になった、主人公美結とその親友愛音。
それまでとは環境が変わり、心も体も大きく成長していくこの時期。二人とも、そんな変化に時にドキドキ、時にワクワクしながら、新しい生活を送っていきます。
茶道部と華道部が合体した茶華道部にも入り、先輩を含めたほのぼのライフ。友達同士じゃれ合う姿は、ちょっぴり百合風味。
しかし、本作の基礎情報をよく見ると何やら違和感を覚える人もいるかもしれません。
この作品、ジャンルがSFになっているのですよね。
おやおや作者様。もしかして設定する時に間違えちゃいましたか? だけどタグにも日常百合SFとありますし、SF要素があるのは間違いなさそう。
いったいいつSFになるのかと思って読み進め……読み進め……あっ、ありました。SF要素です!
ネタバレを避けるため詳しいことは書けませんが、これは確かにSF。それが出てくるまで時間がかかったのも、日常とのギャップ、これまで信じてきたものが変わってしまう戸惑いを読者に伝えるため、しっかり機能しています。
しかも、SF要素を知ってからこれまでの話を読み返すと、なるほどと唸るところも。
もちろん、ほのぼの百合としてとしても楽しめるので、百合が好きな人もSFで刺激を受けたい方も、どちらもおすすめです。