隣におられる天使様がルームシェアの相手とかマジですか？

第27話 昼の出来事は？

「なぁ、綾人」

「ん？」

「………なんか具材が少なくね？」

昼休みになり、いつもの様に前の席の椅子を俺の方に向けながら、食べ始めている俺に聞く。

俺の二段弁当の一段目は白米で埋まっているのに対し、二段目はスカスカだった。

「あぁ、ちょっと作る時間がなくてな」

「そんな事言って、また本読んでて時間忘れてたんだろ？」

「………お前の俺に対する印象はまた問いただすとして、まぁそんなとこだ」

本当はアイリス達の弁当を作っていて時間が無くなったのだが。

「おぉ、華神さんの弁当凄いね！」

「ごーかだー！！」

「美味しそう！」

「えっと、ありがとう、ございます」

隣の席からは歓声が聞こえるが無視。

本人はとても嬉しそう。

………次からは作る時間を調整しよう。

「これ、華神さんが作ったの？」

「いえ、わたしでは、ないです」

「え、じゃぁ誰が？」

「親じゃないの？」

「えっと……」

困り顔して口ごもったらダメだろ………。

そんな顔したら―――

「もしかして、彼氏とか？」

ほら、そう聞かれる。

その一言でなぜか温度が下がったように感じた。

「い、いえ。ちがいます」

その一言で下がった温度が戻る。

………下がると言うより重い？表現が分からんからいいか。

明らかにほっとした顔してる男子がいるのは、流石天使様と言ったとこか。

「じゃぁ誰さ〜？」

「えっと……………あに、ですかね」

「え、華神さんお兄さんいるの？」

「会ってみたいなー」

「イケメンだろーなー」

残念。アイリスが言った兄は俺だからな。

にしても男子諸君。

架空の兄に対抗心燃やすな。

義兄とか呼ぶな。

購買でなにか腹の足しになるもの買ってくるか。残ってれば良いが。