追いかける夢
あの事故から一週間後遺影がたくさんある会場に彼はやってきた。彼女の名前がないかを探し、ないことを祈りつつも名前と遺影は見つかった。ミニョンの遺影を必死に見つめるスンヒョン。どれだけ見てもミニョンは帰ってくることはない。そうわかっていながらも必死に彼女の遺影を見つめていた。すると彼の担任の先生が手紙を渡してきた。そうそれはミニョンからの遺言だ。こんな内容が書かれていた。
”私はスンヒョンと楽しく過ごせたことが何もかもが幸せでした。私があなたを初めて見たとき優しそうで人をまとめてくれる自分のことではなく相手のことを優先して動くそんなあなたを私は頼りで誇らしい存在です。あの時スンヒョンが船は大丈夫だよと言ってくれなければ私は自分から動くことはできませんでした。私は人と関わったり助けたりする仕事をしたいのが夢です。そんなあなたのアドバイスの元に同じように自分から動いて助けようとしました。私は運悪くみんなを助けられず私も生還することはできませんでしたが幸いスンヒョンが生還しているだけで私は満足です。生きていてありがとうスンヒョン。 ミニョンより”
この手紙を読んだとき彼は大声で泣き、ミニョンの気持ちや自分の気持ちを整理した。ミニョンがどれだけ大事にしてきたのか。また自分からどのようなことに挑戦しようとしたのかを感じた。決して彼女の気持ちを尊重し人を助ける仕事になることを決意しそして消防隊になることを決意したのだ。
それから6年後スンヒョンは大学を卒業し、念願だった消防隊の一員になることができた。最初は厳しい訓練であり逃げ出したい気持ちもあったスンヒョン。ミニョンの気持ちをぜっていに捨ててはいけないという気持ちがあり訓練にはどんなに厳しいであろうと自分を犠牲にしようと必ず取り組んだ。そして本格的な消防業務を行うことができ現在は火事が起きた時や人が緊急事態であるときも積極的に参加をして人々の救助を行っている。あれからミニョンらが眠っているお墓(納骨堂)に訪れた。ミニョンの遺影や遺灰が入っている箱。そしてスンヒョンとのツーショット写真もあった。彼女に念願の救助隊員になれたことを伝え、消防隊のユニフォームも見せた。彼女も嬉しそうであろう。気持ちを伝えたと同時に手を合わせて礼をしその場を去った。きっと彼女も天国でスンヒョンと同じ夢を追っているのであろう。そう感じながら現在もさらに夢を追うべく救助隊の仕事をしている。
黄色い鯨の夢 @kecky
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