沈没までのタイムリミット

 それからというもの生徒たちはいつになれば船から脱出できるのかを考えていた。もうそろそろ沈没をしそうな船にいつまでも待たされている生徒たち。脱出するために考えているスンヒョンら。そのころ船長は衝撃なことに船から自力で逃げ出していた。そう生徒をほったらかしにして。事故の規模が大きくなっていき、こんな重大な事故が起きているのに大統領も何もしない。それを生徒は知らずただどうすればよいのかと考えているばかりたった。するととある乗客がスンヒョンたちを助けようと、ロープを持って一人ずつ船から脱出していった。スンヒョンも脱出させたいと近くにいる人たちを助け、スンヒョンも脱出したものの近くにいる人全員を救助させることはできなかった。スンヒョンは嗚咽としていた。彼女のミニョンにメッセージを送るも既読はない。スンヒョンがミニョンにカカオトークを送った同じころ彼女はミジらに「みんなと一致団結をしよう。そうすれば必ず助けが来る」とみんなで呼びかけ出口までに向かった。そして開けづらくなってしまったドアを開けることに成功しみんなで喜んでいた。しかしそれは束の間であった。海上隊の人たちが船の中に入ることはなく、ただ通り過ぎているだけ。しかもその人たちは水泳の経験は全くなく泳げない人がほとんどであった。それと同時に船が一気に傾き完全に水没をしてしまったのだ。ミニョンらは溺れてしまい完全に息をすることができなかった。この水没する瞬間を嗚咽していたスンヒョンは見ていた。もう彼女は死んでしまったと。それからスンヒョンら救助された人は近くの湖に避難することとなった。さまざまな同級生たちが泣きながら避難をしていた。「自分だけ生きててどうするんだ」「俺はいっそう死んだほうが良い」などの罪悪感を感じている生徒が多かったのだろう。しかしスンヒョンはそんなことは感じなかった。自分に与えられた時間自分なりに生きること。それを彼女は喜ぶであろうと感じていた。それから2時間後修学旅行は中止となってしまった。学校へと帰ることになり静かにバスの中で景色を見なががら帰った。

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