神様の言う通り〜魔法創生期〜
桔梗 遊
第1話 何はともあれ心機一転頑張ろう
月に見下されながら俺は帰路に着いた。流石にスーパーは空いておらず、やむを得なくコンビニ弁当を買い、月明かりが目立つ商店街をくたくたになりながらも、俺は久々の帰宅を素直に喜ぶことにした。
商店街を進んでいくと、一宇の蔦まみれの祠を見つけた。
こんなものこの前まであっただろうか。つい最近できたようにも見えない。
供物は見当たらないし何か供えてあげた方がいいよな。
俺はコンビニで買ってきた弁当を祠に置いた。
「一応祈っておいた方がいいのかな。」
俺は祠に向かって一礼した。
仕事の疲れかふらっと体勢を崩した瞬間だった。
まるでいる場所が急に変わったかのような違和感を覚えた。
気温が下がり、周りの音が無くなり静寂が広がった。
「助かった、ありがとう。お礼に其方をこちらの世界に送ってやろう。」
延々と白が続く空間にマス目に区切られた床に神が立っていた。
急な出来事に驚き、咄嗟には言葉が出なかった。
「あれ、言語違かったかな?」
学者のように首を傾げる。
「伝わって、、ます。」
「おお、それはよかった。では改めてありがとう」
「ど、どういたしまして?」
俺は何に対して感謝されたのかわからないまま反射で答えてしまった。
会話が止まってしまった。
何か話さなければ
「あ、あのここはどこですか?」
「ん?あ〜これは説明するのは難しいんだけどまあ端的言うと俺の空間かな?」
俺の疑問は晴れず次の話題に進んだ。
「自己紹介を忘れていた。俺はアンヘルスタンダード世界の第一神アンヘルだ。其方は?」
「俺の名前は佐々木 竜一だ。それ以上でもそれ以下でもない。」
神は俺の名前を何回か口に出しながら覚えていた。
「さて、突然だが其方には二つ選択肢がある。
一つ このまま帰っていつもの生活に戻る
で
二つ目 異世界に行って無双な勇者になる。
さて其方はどっちを選ぶ?」
神はなぜか勝ちを確信したような顔をしていた。
俺の中で答えは決まっていた。
「異世界に行きたい!」
こんなブラックな世界はもう嫌だ、第二の人生満喫してやる。
神はおもむろに空間に穴をあけ、俺を放り込んだ。
そんな時だった。
「アンヘル!そこまでだ。私たちが来たからにはこのこと見過ごすわけにはいかんぞ!」
ここから先アンヘルとその人達が話しているのはわかったが内容までは覚えていなかった。ただ一つ俺が入っている穴に、持ってる槍をむけ何かを唱えて何かしたことは覚えている。
向けられた瞬間白色だった穴の中は真っ黒に染まり異音を発していた。
混乱し、慌てふためいていると一筋の光が射したと思えば次の瞬間身体中に電撃が走った。
痛みと共に俺は草むらの上に寝転んでいた。
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