第4話 信じるものが必ず正義であるとは限らない

正義。それは都合がいい言葉として有名である。自分はもちろん他人まで洗脳する、例えるならばアヘンがその例として挙げるのがわかりやすいだろう。


ハマりやすく、拡がりやすく、依存性が高い。


宗教もまたその類であった。


俺がこの町に滞在している間、ずっと宗教の勧誘を受けていた。朝から晩まで宗教宗教で何も聞けなかった。第一代第一神の聖アロネや暗黒神スルーティブなど色々話を聞かされていた。


覚えてしまったではないか。


が、そんな日々も今日でお別れだ。なんとウスデールから謝罪をしたいから王都にある私の屋敷に来てほしいと言う書文が届いた。急ぎとのことなので俺は町長に挨拶をし王都に歩いて出て行った。


歩いている間俺はステータスを開いて改めて良くみてみる事にした。


まず、名前、レベル、スキル、職業の他に加護と監視という欄があった。そこには神の名前らしきものがズラーっと書いてあった。しかし、俺は加護らしきものを一切使ったことがないのでわからないままであった。


欺きの神、裏切りの神、武道の神、etc…


たくさんあってよくわからないが、まあいいや。あっちについてから考えよう。

俺は楽観的に考え王都に向かった。


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一方その頃王都の軍司令総本部では、とある二人の大将が円卓で地図を広げながら会議をしていた。

「あの砦を使うまでもなかったですね〜。作るだけ無駄だったのでは?」

「いや、あの砦は必要だった。今じゃなく今後絶対に。」

「よろしいでしょうか。十皇じゅっこうの方々。」

「その呼び方やめてもらえますか?その、直接的にいうとダサいです。」

クルガが不機嫌そうな顔で文句を言う。


「すみません。では、クルガ様、オールデス様、こちら東部戦線の様子です。平地では我が軍が優勢ですが、山地の方では防衛戦になっています。」

「ふむ。これは平地の戦線を上げて山を包囲するのが得策ですかね。」

クルガが早速案を出す。


「確かにそれが一番だろう。しかし、俺が相手の将ならばわざと平地を薄くして、逆包囲、こんなことも考えられるだろう。」

「少し考えすぎではないですか。対峙している敵はあなたではないのですよ。」

「そうだな。では、平地の戦線を上げつつ、山地方面の包囲も同時に遂行せよ。」

オールデスは不服そうな顔をしながらもその場の空気が破裂するような声で命令を出した。

「は!仰せのままに。」

片膝ついた将校達が一斉に動いていく。


「正直、最初はこのやり方、兵員をただ割くだけと思ってましたが結構効果的ですね。」

「国を取るのと城を取るのは目的も手段も全く違う。覚えとけ。」


ーーズデーロにて

「できた。ついに完成した!わしの研究いやわしの人生の意味がやっと実現した!」

ローマル、齢90にして魔法を発見。

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