クラスで一番嫌いなあいつが、クラスの人気者である(略)へのレビューです

【始まりは】
 物語は男子学生である主人公が、幼馴染みの女の子に”惚れ薬”の存在の有無を問われるところから始まっていく。
 この時点では、何故彼女がそんなことを聞いたのか?
 存在したとして、それをどうするのかなどは明かされていない。
 主人公はその問いに対し、自分はどう思っているのかストレートに答えるのだった。

【あなたならどんな答えを返すだろうか?】
 この物語の主人公は、冒頭では深読みをせずに”思ったことを素直に”伝えている。しかしもし、聞かれた人物が彼女を好きだとして”それをどうする気なのだろうか?”、”誰に使うのだろうか?”などと考え始めてしまったら、なんと答えただろうか?
 あると言った方が良いのか?
 ないと言った方が良いのか?
 迷うのではないだろうか?

【惚れ薬というキーワードから見える二人の人物像など】
 ”惚れ薬”の話題から二人が仲が良いこと、互いの性格をよく知っている仲であることが会話のやり取りによって明かされていく。
 そして主人公が彼女に対してどんな風に思っているのかも使わってくるのである。
 彼女は”惚れ薬”の存在を信じている。つまり、想い人がいて、藁にもすがる思いで存在の怪しいものを信じてしまっている可能性もあるが、この場面ではロマンチストである印象を受ける。
 そして主人公はそんな彼女を”周りから夢見がちとバカにされてしまうのではないか?”と心配しているし、意識もしているようだ。

【ターニングポイント】
 タイトルでもあるので、これはネタバレには含まれないと思うのだが、主人公は学校にてクラスメイトから”衝撃の事実”を聞かされる。
 それは”惚れ薬”の話をしていた幼馴染が、主人公が嫌悪している人物から愛の告白を受けたということである。
 それだけなら良かったのだろうが、ここで想定外のことが起きるのだ。
 このままでは、幼馴染みがその人物と付き合うことになってしまうかもしれない。しかも、幼馴染みは主人公が彼を嫌っている理由も知っているというのに。
 二人のお付き合いを阻止したい主人公は、一体どんな行動に出るのだろうか?

【物語の見どころ】
 幼馴染みが、自分が一番嫌っている人物から告白されてしまい、しかも付き合う可能性があったなら?
 相手に特別な感情を持っていなかったなら、それは自分が相手を嫌いだからという自分勝手な私情でしかないかもしれない。
 けれども主人公は、恋なのかどうかははっきり明かされてはいないが、好意は寄せていることが伝わってくる。
 この物語での最も気になることは、冒頭に胡散臭い”惚れ薬の存在”が明かされていること。そしてタイトルに”俺が惚れ薬を使って”というフレーズが入っているところだ。
 
 単に幼馴染みと嫌いな相手の仲を邪魔しようというのではない。
 ”惚れ薬”を使って彼女を自分に惚れさせ付き合おうというのである。

 では何故”惚れ薬”が必要なのだろうか?
 主人公は”幼馴染み”という、他の男子よりもずっと近い位置にいるはずなのに。それは告白の話しのところで明かされている。
 どうやら幼馴染みはモテる上に、誰からの告白も受け付けなかったようだ。しかしここで、冒頭の”惚れ薬の有無を問われた”ことが気になる。
 彼女が誰の告白であってもお付き合いを断ったのは、既に想い人がいるからなのではないだろうか?
 果たして、主人公は彼女を守れるのか? 計画は巧く行くのだろうか?

 この物語には、その相手とのやりとりや後日談などもあり、恋愛っていいなあという気持ちにしてくれます。
 あなたも是非、お手に取られてみてくださいね。
 おススメです。