第20話
その雨が聖魔の頭や身体に当たり、
「Gyaoooooooooooooooooo!!」
雨に当たった部分から煙が出て[ジュー]と音がして、大声で聖魔は叫び苦しみだして槍を手放し足から崩れ倒れた。
テイジはユエに近づいて、
「ご苦労様。」
「じゃ、ご褒美に頭を撫でてね♪」
「え!」
労い言葉をかけて、微笑んだ顔でユエは言うと、テイジはご褒美の事を聞いて無いのでちょっと驚きの顔をした。
嬉しいそうな口調でわざとらしく残念そうな顔でユエは、
「え~♪ダメなの~♪」
「えっと、あとでも・・・良いかな?」
「じゃあ♪」
「後でいっぱい♪ハグしてね♪」
「う、うん」
ちょっと困った顔でテイジは聞くと、少し考える素振りでユエはウインクをして微笑んで、苦笑いでテイジは頷いた。
「おい」
「ん?」
青年は近づき空を見ながら振り向いて、
「この魔法は・・・」
「過去にあった魔法のホーリー・レインだよ。」
「過去の魔法だと!?」
にっこりとテイジは答えると、青年は驚きの顔になった。
ホーリー・レインは広範囲の死者や闇に支配された者を浄化する魔法で、この世に普通に生きている者や魔物には効果が無いので、そんな弱い魔法なんて意味がと言いて、過去に忘れらた魔法であり、ユエは過去に仲が良い少女に教えてもらった魔法だった。
今度はテイジは聖魔の方に歩き、
「大丈夫?」
「コレハ、アンタガヤッタノカ?」
「僕じゃないけど、この方法ならあなたと話せると思ったから・・」
「ソウカ、ナルホド・・・イイヨミダナ」
姿にに合わない聖魔か甲高い小さい声が聞こえてきて、テイジは顔を振り納得した。
「コノママ、コロシテクレ」
「嫌だ!」
「ドウシテ?」
「ミノタウロスニハ、イワナイノカ?」
「あれは空気中の魔力を媒体にしたモノだから、アナタは違いない魂の気配が無い気がします。」
「僕は見捨てたくないから、ここで失って良い命はこの世に無いと思えるから、アナタを助けたい。」
それをテイジは否定して、不思議な口調で聖魔は訪ねて、仁王立ちで強い口調で言い切った。
その時・・・
「・・・実にいいね♪」
「君は面白いから、それに特別に僕も手伝おうかな♪」
「とっても面白そうだからね♪」
「え?」
「誰よ!」
謎の楽しそうな声がしてテイジとユエは辺りを見渡したが気配も感じず、この場を見渡してもテイジ、ユエ、黒髪の青年、聖魔しか居なかった、少し離れた場所では土煙が上がり、時折ネメシスの叫び声が聞えた気がしたいたが、今かかわると面倒に巻き込まれるので見なかった事にした。
黒髪の青年は顔だけが森の方を見ていた。
「おやおや、僕の場所が分かったのは『完遂者』君だけか。」
謎の声は言うとバサバサと音が1匹の白い鳥が近づいてきて、
「と、鳥!?」
同時にテイジとユエは驚きの声を上げて、青年は嫌な顔をした。
鳥は近くに降り立ち白く光り姿を人型に変わり、白い髪にこれから始まる、まるで結婚式の花婿のような白いタキシードを着た優しい顔立ちの青年が笑顔で立っていた。
「僕の必要だろう♪」
「だ、誰?」
「知らないわ」
咄嗟にユエを見てすぐに首を振った。
黒髪の青年が呆れた口調で、
「こいつは問題児の愉快犯だ!」
「愉快・・犯?」
「・・・・」
「こらこら、そこ誰が問題児で愉快犯だ!」
不思議な顔でテイジは首を傾げユエは無言なり、慌てて謎の声の主は否定した。
「初対面の人に変な事を吹き込まないくれ!」
「俺はお前が嫌いなだけだ!」
「こらこら、『自由人』の僕は傷つくよ。」
「事実だろが!」
「ひどいな」
バツが悪そうに舌打ちして黒髪の青年は言うと、テイジは不思議な顔になって、ユエは誰か検討がつかず顎に手を当てて考えこみ、タキシードを着た青年は怒った口調と顔だった。
『自由人』の言葉に反応してユエは察して黒髪の青年を見て、
「まさか!」
「ああ、認めたくないが、この問題児もあの方の一応は俺達と同じ使徒だ。」
「そうだね♪」
「一応はあの方の使徒だね。ただ僕は他の使徒と違いあの方に従わなくてもいいんだよ。興味が湧けば参加するし、興味が無ければ時間無駄だから不参加確定だよ♪最も9割りは不参加だけど♪勿論、僕はらくを・・・いや、思考を巡らせて計画的にやってるからね♪」
「ああ、僕の名前はノワールだよ。よろしくね♪」
黒髪の青年は片手で頭を押さえ、白い髪の青年は笑顔で語り途中で何かを言いかけて言葉を変えて、一回転をしていつの間にか白いバラを口にくわえ名乗った。
「・・・確かに、これは問題児ね。」
「ああ、本来は・・・使徒はあの方の依頼は断らないのが普通だからな。」
「断るのはこの問題児だけだ。」
その白い髪の青年の動作と言葉に、ユエも疲れた顔で目を細くて黒髪の青年を見て、テイジは苦笑いした。
本編0・テイジ編 王国崩壊 YUKI @46067
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