第8話 いざ買い物へ!
とある日の日曜日〜
「未夢!こっちこっち!」
「へぇ!?あー、はい!パス!」
シューズを買った週の日曜日、私たち4人はバスケをやりに都内の複合型施設で汗を流していた。
「いや〜スポーツガチ勢じゃない女子が集まってバスケするとなると点数がひどい事になるね…」
「ハァハァ…確かにね、全然点が入らないしめちゃくちゃ動くし疲れるけど、体育とは違って楽しいものがあるよね」
「確かにね、、、楽しい」
4人で集まって行くところなんて大体、カフェか買い物に行くなど体を動かす事とは無縁の生活をしていてので、今日のように体を動かす事は新鮮で楽しいものに感じだ。1人だけ今にも吐きそうな状態なのも面白く1〜2時間遊んでいたが、満足していた。
「そういえば、この前さ秋山と買い物行ったんだよね。アイツどうだった?」
「え?あーそうだな…思ったよりも優しいって感じだった。ちょっとイメージ変わったかも….」
私の素直な感想に未夢は声には出さないけど、少し驚いた表情を見せた。彼の姿を3年間見てきたからであろう。驚いた表情を見せた後、すぅーと柔らかい表情に移り変わり彼女は微笑んだ。
「そっか…あいつも良いところあんじゃん」
心配していたのだろうか、彼女は私からの様子を伝えられるとそれ以上のことを言わなかった。
「てか、それより犬山くんと近づけそうなの?あれっきり全く話聞かないじゃん」
「そーだよ〜、志帆ちゃん全く進展した話ないじゃん」
(言えない…実は今度、彼と買い物に行くなんて。しかも女装用の化粧品を買いに行くなんて口が裂けても言えない)
応援してくれる彼女たちには悪い気はするが、このことに関しては3人の秘密にしているもので話すわけにはいかなかった。買い物に行くよ、とだけ伝えても良かったかもしれないが彼女たちのことだ、付いてくるに決まっているだろう。
彼女たちなりに私のことを思ってからの行動だと思うが、変な誤解だけは生みたくない。だからこそ、嘘をつく形で彼女たちには秘密にしていた。
「ま、まぁこれからやって頑張っていくからさ!」
「私、お腹すいちゃった!ねぇ!皆んなでご飯食べに行こうよ!」
「露骨に話逸らしたね…」
互いの仲がもう少し深くなってからでいい、その時彼女たちに報告していければいいな…
⭐︎⭐︎⭐︎
それから数日経ったある日、約束をした日を迎えた。日曜日の渋谷というのは相変わらずの混み具合で、高校生も大人の女性も数多の人がいてある種の人酔いをしてしまうほど
「犬山くんからはもう少しで着くって連絡きたけど、今どこだろう」
この人混み具合、たとえ待ち合わせ場所を決めていたとしても会うことは難しくなる、もしかしたら近くにいるのかもしれないが彼の姿は見えない。あたりを見渡すこと数分、後ろから声をかけられた
「おーい、斎藤さん!おはよー…」
「…ごめんなさい、どちら様でしょうか」
急に後ろから声をかけて来た女性は黒のワンピースにデニムの上着を羽織った姿でよく似合っていた。髪の毛もロングで少し上の大学生のように見える。
「いやいや、俺だよ。犬山かごめ!おはよー、斎藤さん」
「…え?えぇーーー!!」
彼の女装はあまりにもガチ過ぎて、驚きのあまり叫んでしまった。
そのおかげか気づいたら私は周りからの視線を独り占めにしていた
恋した君は男の娘!? Rod-ルーズ @BFTsinon
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