23.「中学校の時も野球部だったよ」

 目指すは甲子園――そう思って、中学の時から野球に打ち込んできた。

 君はメキメキと頭角を現し、とうとう一年にして唯一のレギュラーになった。

 そして今、甲子園に立っている。

 ポジションは投手――先発である。

 むわっとした熱気が君の身体を包む。

 この熱は太陽だけがもたらすものではない、観客の熱であり、対戦校の熱であり、自校の熱であり、そして自分自身の熱だ。

 

「安心しろ」

 キャプテンが君の肩に手を置き、太い声で言った。

「お前一人が全部背負わないといけないようなチームじゃないさ」

「……っす」

 君はマウンドに上がり、土の様子を確かめる。

 乾いた土に君の汗が落ちる。


(……行くぜ)


 心の中で呟く。

 第一球、捕手のサインはストレート。

 君の得意球だ。

 だが、調査によれば相手打者は変化球に弱いらしい。

 君は――


51.捕手を信じてストレートを放った

https://kakuyomu.jp/works/16817139555289870474/episodes/16817139555331772132


52.データを信じてカーブを放った

https://kakuyomu.jp/works/16817139555289870474/episodes/16817139555331786589


53.相手の頭部を狙ってストレートを放った

https://kakuyomu.jp/works/16817139555289870474/episodes/16817139555331961664

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