53.相手の頭部を狙ってストレートを放った
「死ねェーッ!!!!!」
デッドボールの名に恥じぬ死球――否、殺球と呼ぶべきか。
放たれたボールは相手打者の頭部を貫き、顔の真ん中に大穴を開けた。
「グェェェーッ!!!」
相手打者が現代芸術作品のようになって倒れる。
「何をやっているんだ~~~~!!!」
相手チームの次打者が怒り狂って君のもとに向かってくる。
だが、君はこともなげに言ってのけた。
「何って、俺は野球をやっているだけだが」
「こんな……ただの殺戮が野球と呼べるかよ!」
「おいおい俺は殺そうとしたわけじゃないさ、手元が滑って、デッドボールになっちまっただけだぜ……それより」
君の冷たい目は倒れ伏した相手打者を見下している。
「死球だぜ、打者が一塁に行かないとなぁ」
「貴様ァーッ!!!」
相手チームの次打者が君の胸ぐらを掴み上げた。
「おいおい、乱闘か?スポーツマンシップに則ってねぇなァ……儂はスポーツマンシップに則って……」
その様子を見ていた捕手がマスクの奥で嘲笑を浮かべながら、打者の死体を担ぎ上げた。
「打者を一塁に運ぶ手伝いをしてやるというのにのォーッ!!!」
そして死体を一塁に放り投げたのである。
ぐちゃりと厭な水音を立てて、死体が一塁を汚す。
「貴様らァーッ!!!!!」
怒り狂った相手チームの次打者が君を殴らんとした。
だが、それよりも君の膝が相手の股間を蹴り上げるほうが早かった。
のたうち回る相手を見て、君は――否、君だけではない。
私立
「さぁ……スポーツマンシップに則って、野球を続けようとしようかァ!?」
と、少年漫画の悪役ムーブをしたところで君たちは国家権力の介入によって全員逮捕された。野球部は廃部となり、私立
それは、そう。
それは……そう。
【そりゃそうなるよEND】
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