後日談
その後なんやかんやあって警察が現場に到着したのは翌日だった。
「まさか、また君か魔坂君!」
「おお、
「君がいるというから上から呼び出されたのだ!」
左右田警部は!が多い。
「ははは、アンタどんだけ俺のこと好きなんすか」
「好きではなーい!!!」
左右田警部が叫んだ。
「まったく、何回容疑者になれば気が済むのだ君は!君がいるたびに私は休日であろうと呼び出されて君の相手をさせられるんだぞ。少しは大人しくできないのか!」
「いやいや、俺はこれで飯食ってるんでね。突っ込んでなんぼでしょ。……まあ依頼人死んじまったけど」
そう言って魔坂はマユの遺体が安置されている方を見やる。
現場保存の観点からあまり色々なことはできなかったが、魔坂は写真を撮影した上で遺体を縄から外し、折りたたんだベッドシーツの上に寝かせていた。
「まったく君は……今回は何があったんだ。この縛られている人は何なのだ」
「あ、そいつら全員犯人っすわ」
「はぁ!?またわけのわからないことを……」
「まあまあ、とりあえず警察署行きましょうぜ。俺は腹ペコなんでね。久々にかつ丼食いたかったんすよ」
「取調室は食堂じゃないんだぞ……」
「まあまあ、俺たちの仲じゃん」
「駄 目 だ! ! !」
………………………………………………
そして、それからしばらくして魔坂は無罪放免となった。
あの別荘にいた連中はお互いに貸し借りや弱みがある関係で一人が言い出したことに逆らえない環境だったらしい。そうとは知らずにやってきたマユが環境をかき回してしまい、バランスが崩れてしまった。
だから全員で殺した。一人が話しかけ、もう一人が後ろからロープを使い絞殺。そのあと全員でマユを吊り上げた。
時間にして5分という短時間でその犯行は終わった。
あとは何も知らず寝ている魔坂に擦り付けて終わり。そういうシナリオだったようだ。
なんとも胸糞悪い話だ。そんな些細なことで殺されていいわけがない。
「あーあ、また墓参りしなきゃならねえやつが増えちまったな……」
魔坂は探偵事務所のソファーに腰かけそんな一人ごとを呟くのだった。
完
クレイジー探偵 魔坂 浅川さん @asakawa3
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