第16話 膝は笑わずに…

 月末になると、家計簿をめくりながら眉間にシワのよるこの頃。暮らしていけないほどのヤバさではないが、家族それぞれが、買いたいモノ、欲しいモノを、値段を見ては我慢する、ストレスの溜まる毎日。

 ここ10年の家計簿を見てみる。家庭実収入は年々増えて、倍近くまでなってきている。なのに、年間の収支のプラマイは、ずっと同じくらい…。子供が大きくなってきているのもあるが、保育園より小学校のほうが固定出費は少ないはず。ナマケモノだけに派手な生活は好まないし、旅行も外食・会食も、ほぼない。人間、あれば使ってしまう、そういうことだろうか。

 しみじみ人間の性を語っている場合でなく、もう少し家計をなんとかしなければいけません。

 切り詰められるところは、ざっと見て食費くらいではないかと思うが、結局、食費を頑張って我慢して切り詰めたところで、その努力に見合った金額にはならないのです。では、どうするか。収入を増やすしかない。

 収入を増やす方法としては、ナマケモノがもっと高収入の仕事に転職する、これは、年齢的にどんどん難しくなっている。前回の転職で痛感した。

 では、副業でとなっても、なかなか難しい。だが、うちには、お店がある!お店で収入を増やせばいい!

 となって、夫にやんわり伝えると、夫の顔が曇る。なぜか、お店にお金を抱えておきたがるため、家には一銭も入ってこないし、収入アップできるような案を、無責任ながらも、端から色々言ってみると、考えたり準備をする時間がないと言う。

 週の半分お店を開き、家事も全部やってくれている。が、わたしには時間がないように思えない。

 しかし、そこで、時間ありそうだけど…なんて言ってしまうと、理解してもらえてない感から、夫はやる気を削がれ、何も進まないどころか、今できていることも減ってしまう可能性もある。

 ということで、ナマケモノながら、結果面倒にならないため、わたしが家事をできる限りやるよ!と申し出るのでした。

 フルで働きながらだが、お昼休みに、夕飯を作ったり、前日や当日朝に下準備をしたり、洗濯や掃除も平日はできる限りをし、週末には、キレイに仕上げる。ナマケモノ頑張ってみる。そうしていると、夫もお店に集中して頑張らねばと思うようで、アイデアを形にして頑張るようになった。

 結果よかったのだが、ナマケモノはやはりナマケモノ仕様に体ができているようで、まず、腰椎ヘルニアで片足が痛んで痺れた。どうにもならず、大嫌いな病院にかかり、薬を飲みながら頑張ったところ、両膝がミシミシ、ギリギリ言い出した。腰を庇ってなのか?

 ナマケモノがなんとか動けている間に、夫よ、頑張ってくれー、あー、住宅ローンが突然減らないかなー、とわたしの腰と膝が言っている。

 膝は、笑わないでモノを言うのか。

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ナマケモノ持ち家を維持する @_fly_

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